舞台の効果音

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今回は、映画『昴-スバル-』について。

「天才は万人から人類の花と認められながら、
いたるところに苦難と混乱を惹起する。
天才はつねに孤立して生まれ、孤独の運命を持つ。」~ヘルマン・ヘッセ

曽田正人さんの漫画『昴-スバル-』(週刊ビッグコミックスピリッツ連載)が、
とうとう映画化されてしまった。
漫画を原作にしたTVドラマも映画も、
昨今やたらと多いけれども、
ファンにとってはその世界観が上手く反映されない場合が多いわけで、
『昴』もあまり原作のイメージを追わない方がいいのでしょうね。
昴 11 
とりあえずスタッフは充実しているし、それなりの特徴がある。
『グリーン・デスティニー』『HERO』のビル・コンがエグゼクティブプロデューサー、
『不夜城 SLEEPLESS TOWN』のリー・チーガイが監督ということで、
ほとんどが中国人の撮影チーム。
要するにおもいっきりアジアに向けての輸出用仕様という感じ。
(実際、日本での公開をスタートとして、中国・日本・香港・シンガポールで上映予定)

主演はもちろん黒木メイサ。(1988年5月28日生まれで沖縄県名護市辺野古区出身)
この人の顔って、実に独特だと思う。
ある種の戦闘性や苦悩とでもいうような表情が、
普通の状態でもにじみ出ている感じで、
ふだん彼女のそばにいる人たちはちょっと疲れるんじゃないだろうか。
ただ、映画や舞台などでのシチュエーションがぴたっと決まると、
たとえセリフまわしは下手でも、
その存在感だけで、ドラマ全体の雰囲気を支配してしまうタイプの女優でもある。
昴 12
エグゼクティブプロデューサーのビル・コン(Bill Kong)氏によると、
主演女優さがしは、2005年からオーでションを行ったものの、
何百人の応募者を見ても、どうも決め手に欠けて、
ずるずると決断がつかないままになって困っていたという。
その後、無理を承知で、やむを得ずアメリカやヨーロッパなどで、
バレエを習っている日本人にもあたってみるなどのこともしたのだそうだ。
だが、それでもだめで1年の歳月が流れた。
あずみ
最終的には、
2006年前半に、舞台「あずみ」での主演をしていた黒木メイサを観て、
「やっと我々のすばるが見つかった!」ということで、
一瞬のうちに決定したと語っている。
だが、ダンスはそれなりにアクターズスクールでマスターしていて、
そこそこに上手いけれども、バレエについてはずぶの素人の黒木メイサ。
そのため、バレエを徹底的に学ぶことになった。
が、その準備期間は3カ月。
毎朝、起きるとすぐにダンススタジオへ出掛け、
7時間に及ぶ凄まじいレッスンを受け続けたらしい。
「練習後に帰宅してからもバレエのことばかり考えていました。
家でもずっとトウシューズを履いていたんですよ」と話している。
撮影が行われた中国・上海でも、
さらに現地のダンススタジオに通い、
その結果、6ヶ月あまり訓練をせざる得なかったようだ。
そんな彼女の努力も実って、
ダンスシーンはなかなか見応えのあるものになっている。
昴 6
舞台挨拶で、
「1年前に撮り終わってから、4キロ太りました。それだけバレエがきつかった」
と言っているが、本当に黒木メイサはやや太ってみえる。
切れのいいアゴのラインもぽちゃっとしかかっているわけで、
なんだかしらないけれど、これから20年たって40歳ぐらいのおばさんになった時の、
体型が崩れた黒木メイサの幻影が一瞬ほの見えるんだよなぁ。
この人、きっと太る体質なんじゃないだろうか。
華のある時期を大切にしてほしいもんだ。
つかこうへいにも愛され、倉本聰にも贔屓にされる彼女、
できれば、あの鋭い目の形にも似合うように、
体型はシャープでいてほしいと願うばかりだ。
かつて、舞台の「何日君再来 」で、
披露していたモダンダンスのソロやJAZZダンス…、
黒木メイサの舞台での動きは体のラインとともに、見事にキレがあった。
「テレサは軍事機密を握っている」と、
テレサを追う中国共産党の諜報員リン役だったが、実にはまっていた。
あのきつい眼が役柄とマッチして、存在感をあたえていた。
予想以上の演技力で、驚かされたもんだった。
それでも、まだ彼女はあの時、10代だったんだよなぁ。
昴 1
さてと、
今回の映画のおおざっぱなあらすじは…、
仲の良い双子の姉弟、宮本すばる(黒木メイサ)と和馬。
ある日和馬は脳腫瘍になって入院してしまう。
弟のために、すばるは毎日のように即興のダンスを踊る。
しかし、和馬は亡くなってしまう。
ふと足を踏み入れた小劇場パレ・ガルニエのオーナー五十嵐鈴(桃井かおり)と出会い、
いっそうダンスにのめり込んで行くすばる。
やがて、彼女は、ついに上海でのバレエ・コンクールに出る決意をする。
すばる・真奈・リズ3人の人生を賭けた真剣勝負の幕があがる。
というような感じ。
昴 7
ただ、気になるのは、
原作のストーリー展開を端折ったり、
余分な恋のネタを入れ、
さらには、韓国女優アラに、主人公すばるに対立する天才バレリーナ、
リズ・パク役を生み出して演じさせたりもしている。
女子フィギュア・スケートの浅田真央とキム・ヨナの関係を
意図的に彷彿とさせるようにしているけれども、ちょっと微妙だ。
昴 4
もちろん桃井かおりは、相変わらず桃井かおりだし、
題材がバレエだけあって、
かつて本格的にバレエをしていた経歴も大きなバックグラウンドになっている。

孤独な天才宮本すばると彼女を取り巻く人々という構図。
天才を陰ながら支援する者、
天才の才能をねたむ者、
天才の行動に翻弄される者…。
通常、天才といえば聞こえが良いが、
偏った才能の持ち主であるため、非常識であるケースが多いわけで、
平凡で道徳的な物事に対しての逸脱なんぞはざらに出現してしまう。
『昴』の主人公宮本すばるも、
ある意味、そういう天才たちの中のひとりなのかもしれない。
昴 3
だから、そんな「天才性」を描くとするならば、
監督や脚本家のセンスや人生観が問われてしまうのはしょうがないのだろう。

「すばるというキャラクターは天才という役ですが、
私が思うに、全ての人の内に天才はあるということなんです。
ですから、自分のその天才を信じ続ける、
そして貫き通すことが大切だと思います。
この作品は英語で言うと“フィールグッドムービー”という、
観ていて気持ちが上がる作品だと思います。」
と、プロデューサーのビル・コンは語っている。
昴 8

黒木メイサの演技に、内なる自分の天才を重ねて観ることができるか?
ここが問題ですね。
ちなみに、原作者の曽田正人さんは、
「ぼくにとって宮本すばるとはほとんど実在の人物であり、
こうしている間にも彼女は世界のどこかで
踊ったりトラブルを起こしたりしているのだと思っています。
フィクションならぼくの勝手に描けるのですが、
実在の人物だと思っているからこそ彼女を描くにあたり、
いつも自信がないのです。
あの時ほんとは彼女はこんなこと思っていなかったのではないか?とか
あの描き方は彼女の本当の姿ではなかったのではないか?
だからぼくではないクリエーターの方が
宮本すばるを描くとどうなるのかずっと興味があった。
この映画化は本当に楽しみです。」と言っている。

原作者ですら、「天才性」を描くことについて、
我々と同じ思いを抱いて作ってきてことがわかって興味深い。
映画『昴』は、いろんな視点で見ることができる作品だと思う。

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昴 2


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『ウォンテッド』(Wanted)のDVDが、最近リリースされたので、
遅ればせながら今回はこの話題でいきましょうか。
wanted 2
昨年の映画公開段階では、アクションというより血なまぐさい映画であり、
コアなファンが喜ぶ作品だとかというようなレビューも多く、
結局、観ていなかった。
けれども、
アンジェリーナ・ジョリーが魅力的なのは予想どおりにしても、
それにもまして、
作品全体が、どうしてどうして結構いい仕上がりじゃないですか。
ちょっと驚きです。
wanted.jpg
ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)は、顧客管理担当のダメダメなビジネスマン。
変化のない仕事に行き詰まり、しかも日々、上司からはいびられ罵られている。
恋人と同棲してはいるものの、同僚に寝取られ、嘲られ続けている毎日。
何に対しても、まったくやる気も起きず、ひたすら無駄な人生を生きている。
ついつい口から出てしまう言葉、「すいません…」
惨めな人生…、不運?
彼に足りないもの、それは人生の不運に耐え抜くための“何か”だった。
だが、謎の女・フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現れた日を境に、
彼を取り巻く環境が一変。話によれば、ウェスリーが、アキレスの時代以来、
神に代わり「運命の意思(will of the Fates)」を実践してきた、
秘密の暗殺者組織の暗殺者の血を引いているという…。
ウェスリーは、堕落、私欲、裏切りが渦巻く世界で
戦い抜くだけの潜在的超能力を覚醒しなくてはならない。
wanted 5
ダメ男がヒーローになるっていうパターンは古今東西よくあるけれど、
今回の主人公ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)の
小心者かつ無目的で鬱々とした人生と
それに対比されるその後の変貌ぶりが丁寧に描かれていて心地よい。
『スパイダーマン』にしても、その物語の本質は似たようなものだが、
こちらの方が、鬱屈した部分をきちんと表現できている分、
単純で偽善的な正義のヒーローになることもない。
などと思いながら、
英語版のウィキペディアを読んでいたら、
このグラフィックノベルの原作者であるマーク・ミラーは、
映画化される際、脚本の第1稿を読んで難色をしめしていたらしい。

その理由はこんな感じ…。
I wanted the film to basically be the opposite of the Spider-Man movie,
the idea of someone getting powers and realizing they can do what they want,
then choosing the dark path. The script  I read was just too tame.
It just seemed a little bit Americanized. But Timur came in
with his Eastern European madness, and he really made it nasty.
He went closer to the spirit of the book.
要するに、原作者も『スパイダーマン』とは、真逆の雰囲気で行きたかったみたいだ。
wanted 4

そんな意向を監督のティムール・ベクマンベトフは見事に実現した。
独創的で危険な魅力に満ちたカーチェイス、
CGを駆使した物理法則の限界に挑戦するアクションシーン、
おまけに、アンジェリーナ・ジョリーの全身タトゥーの披露シーンなどなど
とまぁ、アクション映画に必要なサービスは満点だ。
しかも、主演のジェームズ・マカヴォイが予想以上に演技も上手いし、
この作品の撮影のためにかなりの肉体改造もやり抜いたようだ。
話によると、かなりのアクション系のトレーニングも
ついでにやりこなしてきている人物らしい。
したがってそんな彼だから、
サエない平凡な羊のような男が、
しだいに自信に満ちた危険な暗殺者に成長?していくのも、
妙にリアリティーがある。
wanted 6
特に、暗殺者として鍛えられていくシーンの中で、
主人公のウェスリーが、
ひたすら殴られながら、「なぜお前はここに来た?」と
何度も問われ続ける場面がある。
ボロボロに殴られて、
正直に「最低の人生だったから…」と答えても、
どうも正解ではないらしくさらにめちゃくちゃに殴られる。
何をどう言っても殴られる。
最後の最後に、彼の口からこぼれた言葉は、

「自分が誰なのかがわからないから」

こういうのって、いいですね。
別にMっ気があるわけではなく、
殴られるうちにその人間の人生で培ってきてしまった虚飾が
思いっきり剥ぎ取られていくのがいい。
まるで禅寺の修行みたいだ。
アクションシーンがどうとかというよりも、
自分の人生をきちんと歩んでいない世のほとんどの人々に向けて
強烈なメッセージが込められているのがこの作品だ。
wanted 10
すべての物語が終わった時、
ラストシーンで、
"This is me taking back control of my life. What the fuck have you done lately?"
と、ウェスリーが観客に問いかける。

直訳すれば、
「僕は自分自身の生き方を取り戻した。ところで、君は、最近どんなことした?」
というところだろうか。

これにはやられた。


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wanted 3
A young man named Wesley Gibson works at a dead-end desk job with an overbearing boss, takes anti-anxiety medication for panic attacks, and has a live-in girlfriend who cheats on him with his best friend. During one of his trips to the pharmacy, Gibson is told by a mysterious woman named Fox that his father was a recently murdered assassin, and the killer, Cross, is behind him. Cross and Fox engage in a shoot-out followed by a car chase in the streets of Chicago. Fox brings Gibson to the headquarters of The Fraternity, a thousand-year-old secret society of assassins. The group's leader, Sloan, explains that Gibson's panic attacks are actually the untrained expression of a rare superhuman ability; when stressed he has drastically increased heart rate and adrenaline levels that result in bursts of superhuman strength, speed and reflexes. The Fraternity can teach him to control this ability, so Gibson can follow in his father's footsteps as an assassin, beginning by inheriting his fortune. Gibson is initially reluctant and returns to work, only to finally snap when discovering his online bank account balance is over 3 million dollars. He tells off his boss in front of the entire office and on his way out, hits his "friend" in the face with his keyboard. Fox is waiting outside to take him back to the Fraternity headquarters - an unassuming textile mill.
wanted 9
Gibson is then subjected to brutal training; among other forms of combat, he learns to curve bullets fired from smoothbore firearms around objects. Afterward, Gibson is shown the Loom of Fate, a loom that gives the names of the targets through binary code hidden in weaving errors of the fabric. Those the loom identifies are apparently destined to cause tragedy in the future; but only Sloan sees and interprets the names that "Fate" wants to kill. Gibson is initially reluctant about killing people. Then Fox reveals that in her childhood, a hired killer burned her father alive in front of her—and said hitman was supposed to be killed by the Fraternity. She considers that preventing such tragedy is now her mission.
wanted 11
After several routine missions and a chance meeting with Cross, in which Cross shoots him in the arm with a deliberately traceable bullet, Gibson becomes impatient and demands to be allowed to avenge his father. Sloan grants his wish, saying that Cross's name had come up on the loom, but then secretly gives Fox a mission to kill Gibson, saying that Gibson's name had come up as well. Analyzing the bullet that hit Gibson, it is discovered that the manufacturer was Pekwarsky, a bullet-maker that lives in eastern Moravia. Gibson and Fox travel there and capture Pekwarsky, who arranges a meeting with Cross. Gibson faces Cross alone on a moving train. Fox steals a car and crashes it into the train, eventually causing a derailment when the train reaches a bridge over a deep ravine. After Cross saves Gibson’s life by preventing him from falling into the ravine, he is shot by Gibson. Before dying, Cross reveals that he is Gibson's real father. Fox confirms the truth and explains that Gibson was recruited because he was the only person that Cross wouldn't kill. Fox then reveals the kill order on Gibson and raises her gun, but Gibson escapes by shooting out the glass underneath him and plunging into the river below.
wanted 7
Gibson is retrieved by Pekwarsky, who takes him to his father's apartment, located across the street from Gibson's old home—Cross was "only a camera-click away", as Pekwarsky states showing the photos Cross kept of Gibson since childhood. Pekwarsky explains that Sloan started manufacturing targets for profit after discovering that he was targeted by the Loom of Fate, and didn't tell the Fraternity members that they were now nothing more than paid killers. Cross discovered the truth and went rogue, and started killing Fraternity members to keep them away from his son. Pekwarsky departs stating that Gibson's father wished him a life free of violence. Gibson, however, decides to take out Sloan after discovering a secret room containing all of his father's weapons and maps. Upon entering Sloan's office after killing nearly every Fraternity member, he reveals Sloan's deception to the master assassins present in the room. Sloan then states that all of their names had come up in the weaving, and that he had merely acted to protect them. Were they to follow the code, every one of them should kill themselves on the spot. Otherwise, they should kill Gibson. Fox, who believes in the code more than anyone due to her own experience, turns on her fellow assassins, and "curves" a bullet that kills every Fraternity member in the room, including herself, but not Gibson. Sloan manages to escape.
wanted 12
Gibson, penniless once again, does not know what to do with himself. While Gibson provides a voice-over, the audience sees a man sitting in front of a computer much like Gibson did at the beginning of the film. Sloan appears and points a gun at back of the man's head. At that moment, the man turns around and is revealed to be a decoy. Sloan is then killed by Gibson using a long-distance untraceable bullet. Similar to the comic, the film ends as Gibson turns to the camera and breaks the fourth wall, saying, "This is me taking back control of my life. What the fuck have you done lately?"

wanted 13


「われわれは戦争に負けたのであって、奴隷になったのではない」
毅然として放たれた白洲次郎の言葉は、
今の時代に生きる日本人である我々が真剣に
受け止めなくてはならいないものだろう。
白洲次郎 10
NHKドラマスペシャル「白洲次郎」が
2月28日(土)、3月7日(土)に放送された。
このドラマは実にいい。
最近のテレビドラマと称されるめったやたらにある作品群の中で、抜群の出来だ。
また、今の時代状況を打破するために必要な要素が、
意図的に盛り込まれているのも素晴らしい。
実際、この「白洲次郎」という素材に目をつけた鈴木圭チーフプロデューサーは、
古めかしい言い方を借りるなら「慧眼の士」とでも言うのであろうか。
時代の趨勢をよく読んでいるんじゃないかと思う。
白州次郎 5
白洲次郎のエピソードとして、
例の「田中角栄とのやりとり」が個人的には気に入っている。
どうせドラマにとりあげられないと思うが…。
とりあえずこれは、かなり有名で、
どちらかというと最近のこと?でもあるので、
ウィキペディア(Wikipedia)にも掲載されている。
白洲次郎が運営するゴルフクラブに、
突如、田中角栄の秘書から
「田中がゴルフをしますのでよしなに」 と慇懃かつ高圧的に依頼された。
ところが、白洲次郎は
「田中という名前は犬の糞ほどたくさんあるが、どこの田中だ」と。
「総理の田中です」
「そいつは、このクラブの会員なのか?」
「会員ではありませんが、総理です」
「ここはなぁ、会員のためのゴルフ場だ。そうでないなら帰りなさい」
ときっぱりと断ったという逸話。
当時、全盛期であった首相の田中角栄に対してさえも、
ルールと信義を全うすることを要求したという。
立花隆さんもかつて「田中角栄」研究に燃えていた時期のあるインタビューで、
この話題にふれていたことがあったと思う。
年をとり晩年にさしかかっても、白洲次郎は白洲次郎だったというのがいい。白州次郎 1
ともあれ、「白洲次郎」というお方そのものが、
本来的には謎に包まれている人物。
書店ですぐ手に入る資料などを読んでも、
(「風の男 白洲次郎 」(新潮文庫) 青柳 恵介
「プリンシプルのない日本」 (新潮文庫) 白洲 次郎
「白洲次郎 占領を背負った男」上下 (講談社文庫) 北 康利などなど)
真実の姿は、実はよくわからない。

ケンブリッジ大学クレア・カレッジに留学し、
ベントレーを駆ってジブラルタルまでのヨーロッパ大陸旅行をした。
帰国してからは、
近衞 文麿のブレーンであり、
終戦直後の連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官のマッカーサーを一喝し、
吉田茂の懐刀で、かつ「日本国憲法」誕生の現場に立ち会った男。
交友関係も川上徹太郎を含めて超一流ぞろい。
ちょっと、かっこよすぎるなぁ。
白州次郎 6
ドラマで演じられているような存在と同じかどうかは、
不明ではあるものの、白洲の信念であった「プリンシプル」(自分の原則)を
全うしたのであろうことは前述のエピソードひとつだけでもよく分かる。
占領軍であるGHQ本部と堂々と対峙する姿に、
かつての「誇りある日本人」の一面が感じられて清々しい。

よくぞまぁ本格的に白洲次郎を映像化したものだ。
とにかく、
このドラマに関わっているスタッフの実力たるや凄まじいものがある。
細かい面において、本物志向であり、
照明の入り方などについても、繊細にやっている。
特に、
映画界から引っ張ってきた美術監督の都築雄二さんの仕事は、
このドラマのグレードを上げているし、
さりげなく出演者が着こなしている衣裳にしても、
伊藤佐智子さんの丁寧なセレクトによってドラマの質感を
アップさせているのもよく分かる。
白洲次郎 9
さて、時に、首相を陰で操ったラスプーチンだとバッシングされても、
「世の中の人がすべて敵になっても、俺は自分の信念を信じる」
と白州次郎は生きてきた。
終戦直後の場面の中で、
吉田茂に「これからの帰着地点は、誇りある日本の再生だ」
と言わせているが、残念なことにそれはまだ実現されていないような気がする。
なにせそんな吉田茂の孫が、
わけのわからない常に軸がぶれる首相として君臨しているというのも皮肉だ。
今流行の苫米地英人氏によると、
「GHQは日本に対して徹底的に洗脳を施した」と言っているが、
その影響は現在であっても、
政治、経済、文化の至る所の日本人の無意識層に食い込んでしまっていると思う。
いわば「奴隷の国、日本」というわけだ。白州次郎 2
そんな中で、唯一洗脳を免れた日本人とでもいうべき存在が白洲次郎なのだろう。
「ディフィカルト ジャパニーズ」
「頑固な日本人」
「古き良き日本人」
「古き良き日本のジェントルマン」
そんなタイプの大人が必要な時代になってきた。
吉田茂役の原田芳雄さんが、大腸がんで昨年の10月末に入院し、
11月に手術を受けていたということで、
その回復を待つということもあって、
第3話は8月に放送予定だそうだ。
この第3話で、白洲次郎はかなりのバッシングを受けるという。
出る杭は打たれるわけで、
それでも、へこまない頑固な白洲次郎を観たいと思う。

ちなみに、
福山雅治さんが主演をつとめる2010年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の
チーフプロデューサーも、鈴木圭さんであるという。
どんな仕事をしてくれるのか、これもまた楽しみだ。

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白州次郎  7





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