舞台の効果音

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『王妃の紋章』が4月12日から公開されている。
チャン・イーモウ監督による『HERO』『LOVERS』と続く、
アクション時代劇映画の3部作目。
唐王朝滅亡後の権力が渦巻く宮廷劇を豪華キャストで絢爛に描いた作品ということで、
原作は中国人なら誰でもよく知っているという舞台劇『雷雨』(1930年代の中国が題材)
を改編したものだという。

王妃の紋章1

それにしても、チャン・イーモウ監督は、
かつての映画『初恋のきた道』など地味な3部作の時代とはうって変わって、
やたらと派手な大作指向になってきている。
今回の『王妃の紋章』での王妃役には、
監督デビュー作映画『紅いコーリャン』でヒロインを演じたコン・リーを抜擢。
チャン・イーモウ監督の子飼いの女優だ。
「王妃役にはコン・リーしか考えられなかった。
これまでの人生と経験を生かした演技は最高の境地でしょう」
とチャン・イーモウ監督も語っている。
豪華なセットと衣装…、そして、優れた俳優陣。
確かに素晴らしいのだが、
なんでこんなに大げさなアクション時代劇みたいなものを作る気になったのだろうか?
王妃の紋章4

例えば、『HERO』
秦王のもとに、王を狙った刺客を3人殺したという無名という男が出現。
特別に謁見を許された彼は、
刺客を殺した経緯を王に語りはじめる。
hero.jpg

そして、『LOVERS』
西暦859年、唐代の中国。
朝廷は反乱軍最大の『飛刀門』撲滅を画策。
官史の金と瀏に、指導者を10日以内に捕らえるように命ずる。
飛刀門の娘と思われる小妹は目が不自由で、
金は反乱戦士を装い小妹に接近。
捕らえられた彼女を救出するふりして、
敵のアジトまで導かせようと企むが、
旅の途中でふたりの心はひかれあってしまう。
lovers.jpg

この2作に関して言うならば、
ワイヤーを多用したアクションシーンは華麗で、
また、彼の生み出す映像は実に色彩に溢れて美しい。
特に色彩に関するこだわりとその芸術性の高さはただ者ではない。

ただ、ストーリー展開については、淡泊であり、中身が薄い。
したがって、映画公開前の予告編の方が、
本編よりもいいという妙な現象がこの監督の場合にはよく起こる。
ちなみに斎藤孝さんの「人を10分ひきつける話す力」という著書の中で、
いい話というのは「意味の含有率」が高いということを書いている。
映画のストーリーの判断にも、
その意味の含有率的なことがあてはまるのではないかと思う。
チャン・イーモウ監督の作品には、
「意味の含有率」が最近とみに低くなっているような気がしてならない。
彼の映画監督への道は、
チャン・イーモウ監督がまだ若かったころにはじまる。
それは、中国は文化大革命の時期だった。
紡績工場であくせく働きながら、映画や芸術の世界に夢を抱いていた16才。
27才にして、1978年に北京電影学院へ入学した際のエピソードも有名だ。
(トップ合格したけれど、年齢の上限を5才も上回ることを理由にその入学を拒否され、
やむなく彼は文化庁の長官に直接手紙を書き、
「文革のために10年を無駄にした」と訴えて、
やっと入学を果たした。)
王妃の紋章7

そんな生育歴からも分かるように、
イーモウ監督は、貧しい階層からのたたき上げなのだ。
そのせいか、彼の中には、映画監督として、何かの作品を作る上で、
強烈な上昇志向というか、
成り上がりへの野心のようなものが存在しているように感じる。
権力への欲求みたいなものなのかもしれない。
『HERO』でも、『LOVERS』においても、
また、今回の『王妃の紋章』にしても、
豪華で壮大な宮殿にいたる巨大な道の風景が共通して描かれている。
それは、権力の象徴であり、
もしかすると無意識ではあるもののイーモウ監督の欲望のあらわれなのかもしれない。
王妃の紋章3

「中国の古語にある“外は金銀宝石。内はクズ”という言葉の意味を
映画を通して伝えたかった。
つまり華麗なものの奥にある虚構と罪悪を描きたかったんです。
実は、これは現代中国にも通じるもので、
豪奢を極めた唐の時代に移し変えることで強調しました。
人間性を抑圧し、
歪める封建社会や男権主義のもとでは何の望みも見出せないということをね」
と、イーモウ監督は『王妃の紋章』について語っている。
それは、すなわちイーモウ監督自身が作り続けてきた映画にもあてはまることに、
彼は気がついているのだろうか?

チャン・イーモウ監督の次の大仕事は、
北京オリンピックの開閉幕式の芸術監督としての仕事。

現在、北京近郊でリハーサルを行っているという。
その中に、5000年にも及ぶ中国の歴史を50分で表現するパートがあるのだそうだ。
きっと映画以上に壮大なものを作り出すのではないだろうか。
でも、
チベット問題も並行してあるこのオリンピックの開閉祭式、
世界に発信する正しい「意味の含有率」のあるもになってほしいと、
心から願う。
王妃の紋章2


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