舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。

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サウンドトラック『篤姫』が非常にいい。
これは、吉俣良さんの数々の仕事の中でも、傑作のひとつと言っていいと思う。
このアルバムには、
NHK大河ドラマ『篤姫』で使用されている26曲が入っているわけだが、
どの曲もその完成度が高くて美しい。
吉俣良の効果音制作の能力たるや尋常じゃないと改めて思う。
篤姫4

ご存じの通り、効果音の入れ方のひとつに、
フェイドイン(fade in)というのがある、
じょじょにボリュームを上げ、必要な音量にするという方法だ。
(もちろんじょじょに消すのは、フェイドアウト(fade out))
カットイン(cut in)に比較して、なるべく観ている人間の集中を乱さず、
気がつけば、その効果音にも感情が影響されて観てしまうというのがねらいというわけだ。
昔、倉本聰さんと効果音のお話をした時には、
「僕は、効果音はスネークインという入れ方でお願いしているんだよ。」と言っていた。
ヘビがしのびこんで行くように、ものすごく静かに音を入れ始めて、
効果音が必要な場面では、観ている側も演じている側も、
無意識の中に曲が存在しているようになるというふうにしたいらしい。
篤姫5

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■『篤姫』サウンドトラック、曲目一覧
1 篤姫(メインテーマ) 2 吉左右(きっそう) 3 篤と 4 つつぐれのとき
5 火の穂(ほのほ) 6 そでのしぐれ 7 ふとか山 8 良し
9 蕊(しべ) 10 嫋嫋(じょうじょう) 11 戦ぐ花(そよぐはな)
12 於一咲む 13御侠 14 みふゆつく 15 素意 16 遮蔽
17 玉響(たまゆら) 18 正鵠(せいこく) 19 瑞雲 20 ひたあを
21 雲の路 22 一葉知秋 23 水の葉 24 里の緒 25 驀地(まっしぐら)
26 すずしろのはな

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今回、『篤姫』のサントラを聞いていると、
吉俣良さんの技術力の高さと
NHK交響楽団の丁寧な演奏が実に素晴らしいと何度でも思わされてしまう。
これまで、「がんばっていきまっしょい」「プライド」「Dr.コトー診療所」などなど、
さまざまなドラマで音を手がけてきた吉俣良さんではあるが、
この『篤姫』の音づくりには一種の特徴がある。
それは、きっと吉俣さんがNHKのドラマ制作班と
きっちりと話し合ったのではないかと思うのだが、
効果音の曲を作る段階から
「フェイドインしやすい曲」と「カットインしやすい曲」に
意図的に分けていたということだ。
こういう技術は、才能がないとやろうと思ってもなかなかできない。
篤姫1

例えば、篤姫のメインテーマは、明確にカットイン。
トランペットとドラムといっった重厚な音が突如一斉に流れる。
桜島の活火山が噴火を遂げるような始まりと、篤姫の人生を象徴するかのような、
長調の明るさと短調の悲しみが混在して、最後は明るくなるというようなモチーフ。
画面に流れるたくさんの花は、「女性」であり「篤姫」であり、
「大奥」の象徴だったりもするわけで、
そんなシンボライズされた画面と音が非常にマッチしたものに仕上がっている。
このようにカットインとして入る曲は、
曲のスタートから強いタッチで演奏されている。
その典型が、たいてい最後にかかり、
波乱の人生をたくましく乗り越える意志を感じさせる「驀地(まっしぐら)」。
そして、ドラマの途中で、何かに頑張り出すとかかる「正鵠(せいこく)」や
「火の穂」だったりする。
篤姫3

もちろん、このサントラの曲たちは、カットイン用の曲よりも、
はじめからフェイドインを予定している曲がほとんどだ。
当然ながら、正座しながら会話をする場面の多いドラマであり、
会話するキャラクターのアップや表情の演技に頼っていることも多い。
それを配慮して、静かな会話を崩さないように、
同じく静かに繊細な弦楽器系の音色が場面に滑り込むような形式にして、
音をつなげている。
また、どちらかというとぐだぐだした前奏を曲につけず、
すぐにメインのメロディーラインにアレンジしている。
「瑞雲」にしても、 「吉左右(きっそう)」「篤と」「つつぐれのとき」
「みふゆつく」 …、どれもこれも美しい曲であり、効果的だ。
(また、篤姫の心情をになうピアノとストリングスの「良し」という楽曲も、
ここ一番の大事な心情表現に流れるので、別格として存在している。)
どれもが、2分程度の曲たち。
その2分間に紡ぎ出される感情…。

吉俣さんの曲があまりにもいいものだから、
役者のセリフの言っている途中から曲を流すことはまずない。
つまり音の入りをセリフとかぶせない。
確実に誰かがある一定のセリフを言い終え
た瞬間でキューを出して、効果音を流し始めるパターンがほとんどだ。

これって実にベタな手法であり、
曲が悪いと観ている側にすぐ違和感を感じさせやすいものだ。
それでも、吉俣さん流の弦楽の美しい音色が静かに入ってくるので、
観ている側は知らないうちに受け止めてしまっている。
また、セットにしても、薩摩の調度品や、
欄間の細工、絨毯などなど、それぞれに観るものに対して心配りがあって凝っており、
視聴者の無意識に訴えかけえくる。
いわば、画像のスネークインのような部分と、
効果音が連動して、
ドラマ『篤姫』は、高品質の作品になりつつある。

篤姫6

さて、先週で第16話まできた『篤姫』、
撮影の方は、全体の分量の半分を超えた所だという。
サントラの曲を聴いていると、
まだ、使われていない曲が何曲かある。
たとえば、「玉響(たまゆら)」や「雲の路」などがそれだが、
どちらも難しい曲想であり、
今後の大奥での込み入った心情表現にでも使われるのだろうか。

また、これまで放映された『篤姫』でも、
サントラには収録されていないヴァージョンの曲もあったりもする。

どちらにせよ、吉俣さんが通常のドラマよりもふんだんに曲のソースを
作っているという事実に他ならない。
さすがプロ。

ちなみに4月20日に放映された第16話「波乱の花見」での効果音の入りを
メモしておきました。
本当は台本に書き込みたいところですが…、しょうがありませんね。

さて、第17話もまた楽しみにいたしましょうか。
篤姫2

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■ 第16回「波乱の花見」(4月20日放送分)

黒船の状況や烈公斉昭の前説 →篤と
オープニング                  →篤姫(メインテーマ)
斉彬(高橋英樹)の健康がようやく回復し、
篤姫(宮崎あおい)の御台所の件は大詰めを迎えようとしていた。→瑞雲
家定(堺雅人)は、本寿院(高畑淳子)の強い勧めにも、
せんべいが上手く焼けたならばと話をそらし続ける。

また、強硬に反対している斉昭(江守徹)を説得するため、
斉彬は、花見を口実に斉昭を薩摩藩邸に招き、篤姫を直に会わせようと図る。
→戦ぐ花
篤姫は、斉昭が編纂している大日本史を読み込み、 →火の穂
斉昭との対面に備える。

一方、薩摩では、日々の退屈な城勤めに飽き、
江戸での西郷(小澤征悦)の活躍を →水の葉
うらやむ尚五郎(瑛太)が、
お近(ともさかりえ)を相手に愚痴ばかり言っていた。
とうとうお近は、
そのような泣き言は聞きたくないから二度と来ないでくれと強く言う。
尚五郎は目が覚める思いがして、お近に感謝する。

さて、花見の当日。
篤姫は、斉彬らの止めるのも聞かずに斉昭に論戦を挑んでしまう。→みふゆつく
大日本史は、唐や天竺などから多くを学んだかを記しているのに、
なぜ斉昭は攘夷を主張するのか?
西洋からも学ぶべきものがあるのではないのか? 
篤姫の抗議に、斉昭は激怒する…。 →戦ぐ花
しかし、篤姫を面白いと感じ、気に入る。          
→一葉知秋
そのころ、江戸城では家定の焼くせんべいがダメになれば、
破談だと家定はいうものの、結局、婚儀を承諾。
→驀地(まっしぐら)
一方、薩摩の尚五郎も江戸行きが決まる。    
→驀地(まっしぐら)
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篤姫8


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