舞台の効果音

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水谷豊は、今から40年前、満月を見ると狼に変身して咆哮していた。
1968年、「バンパイア」のトッペイ役、水谷豊はまだ16才だった。
その6年後の1974年、
水谷豊は、主演の萩原健一に絡んで「アニきぃ~!」と連呼しているチンピラだった。
このドラマ『傷だらけの天使』は、やがて一種の伝説となっていく。
そして、今から30年前、
水谷豊は、小学生たちを前にして、ベタベタの北海道弁+大きな声で
「いーかー、みんなー、センセイの名前は、北野広大です!」と言っていた。
1978年の『熱中時代』だった。
爆発的な人気を誇り、コミカルな身体の動きも抜群だった。
水谷豊、26才。
相棒4

それから時を経て、彼ももう56才。
現在は、知っての通り、杉下右京警部として、亀山薫巡査部長とともに、
事件解決に全力を注いでいる。

「どうして最近になって『相棒』が流行っているのか?」という問いって、
答えるのには、意外にけっこう時間がかかる質問なのではないかと思う。
それは、そもそも『相棒』が流行っている現象というのは、
いくつかのファクターが重なっている上に成り立っているからだ。

とりあえず、『相棒』の勢いは凄い。
なにせ「相棒-劇場版- 絶体絶命! 42.195km」が5月1日から公開され、
その興業収入も、東映の興行新記録を樹立する勢いらしい。
ここぞとばかり、テレ朝も力が入っているようだ。
毎日のように『相棒』の再放送(しかも2話連続で)はあるし、
水谷さんも寺脇さんも、告知や宣伝をかねて、テレビに出ずっぱりだ。
先日には、『相棒』「第1話 刑事が警官を殺した!?」などもゴールデンタイムで、
再び放送されている。
この第1話なんかは、2000年6月3日に放送されたものだ。
もう8年前になる。
主演のふたりも、まだ若かったなぁ。
警察での特命係が置かれている立場や
薫の左遷の理由なんかもよくわかる最初の作品だ。
右京さんもこの頃は、けっこう動きが速いし、
ちょっとワイルドだったりもする。
しかも、この第1話の視聴率は、なんと17.7%。
8年前のテレビドラマの状況を考えても、驚異的な数字だと思う。
相棒2

この当時、脚本を手がけた輿水泰弘さんは、
タイトルを最初「黄金刑事」と考えていたという。
もちろんプロデューサーの松本さんのダメだしで、
タイトルは「相棒~警視庁ふたりだけの特命係」
ってなことにすぐに直されている。
やっぱりね、こっちの方がいい題名だと思う。
『相棒』というタイトルは、実にいい、
シリーズを重ねることに画面に表現される二人の絆、
そしてスタッフの絆などが深みをまして感じられるようになってきている。

また、「特命係」のネーミングは、皮肉も込めて「特別に命令のない係」から。
警察内部としても、窓際部署という意味合いがあるわけで、
当然のことながらそれは世間の共感を呼ぶので、名付け方として正解だ。
(実際、警察にはこの部署もあるそうなのだが…)
おかげで、
東大法学部卒の優秀なキャリア組でありながらも、
その変人ぶりが災いして出世コースから外れた杉下右京警部と、
警視庁のリストラ対象にされた上に杉下と組まざるを得なくなった亀山薫巡査部長。
“人材の墓場”とまで言われた「特命係」に、
追いやられてしまった二人のドラマということで、
物語を転がすことができる。

ついでに、この8年間で、世の中における「負け組的な風景」は、
形を変えていたる所で見かけるし、年々さらにそれは深刻化し増加の一途をたどっている。
リストラや特に仕事を与えられない哀しい窓際的な状況を
無意識のうちにも共感しながら観る大人が、どんどん増えてきているわけだ。
まっ、こういうご時世も『相棒』が支持される遠因にはなっているのだろう。
相棒3

1996年4月に、「王様のブランチ」(TBS系列)がスタート。
寺脇康文は、放送開始から2006年12月まで司会を務めることとなる。
当時の寺脇康文は、役者としての自分に対してある種の欲求不満を抱いていたと思う。
1994年から岸谷五朗と共に、企画ユニット「地球ゴージャス」の公演をしながら、
日本全国を巡るという超多忙での司会業だった。
そんな中、舞台に立ちながらも、
また、顔を売るために本業ではないバラエティの司会をやりつつも、
やっぱり、これといった自分の当たり役を見つけられないまま30代に突入していた。
4年後、自分に行き詰まりを感じていた寺脇康文は、一大決意をする。
一度共演をしたことのある水谷豊へのオファー、
「二人組で、コンビ物の刑事ドラマはできないでしょうか…」
同じ時、水谷豊も『熱中時代』・『熱中刑事』以降、さまざまな役柄を演じても、
結局、自分の当たり役を得ないままにもがいていた。
やがて生まれた、右京と薫が事件を解決していく土曜ワイド劇場での単発3作品。
すべては、ここから始まった。

『相棒』が、なぜじわりと支持されてきているかと言えば、
それは主人公ふたりの人物設定がきちんとできているということに尽きる。
そして、水谷と寺脇が出会った時期も絶妙だった。

頭脳派で、抜群の推理力を見せるものの、
頑固さと少々嫌みにも思える性格の持ち主の杉下右京。
熱血漢で、お人好し、直情型の傾向で、体力がありユーモラスな亀山薫。
互いの性格を補完しあうようなコンビ、
ありがちなんだけれども、わかりやすい人物設定なので安心して観ることができる。
そのうち、この二人を観ているのがしだいに心地よくなってくる。
ふたりの役者が、競い合うようにして自分の当たり役を作ろうとした結果でもある。

今回、映画版で共演した津川雅彦が水谷豊の演技を評して、
「通常、役者ってもんは、セリフ回しに感情を載せるために
大小の落差をつけることに努力するもんなんだが…、水谷君は違う。
徹底して、抑制した言い方をしながら、感情を載せる工夫をしてるんだよ。
うまいことやったなぁ。」と言っている。

確かに、水谷豊の20代から30代の演技は、実にエキセントリックなものだった。
それが、今は、静かな右京となっている。
常に、英国紳士風のぱりっとしたスーツ姿で、
ポケットチーフといういでたちの杉下右京。
水谷本人は、「杉下右京のイメージは、天から降りてきた」とも言っているが、
この冷静な右京のイメージは完全に定着した。

もちろん本来の水谷豊自身はかなり天然の部分があるらしく、
寝ながらくしゃみをして肋骨を痛めたとか、
『相棒』でのティーポットのお茶を肩の高さから手元のカップに注ぐ時、
実は、しばしば飛び散る熱湯で火傷をしているとか…。
妙な失敗談も多い。
そういえば、5月3日の「王様のブランチ」でも、
ゲストとして出演していたのだが、クイズのVTRを観ている時に、
自分の若い頃の姿がでてきたので、笑いながら後ろにのけぞったら、
後ろに置いてあった紅茶のセットをふっとばし、
自分の顔や背広にも紅茶がかかってしまったというハプニングを本番でやっている。
いやはや。
相棒1

ともあれ、寺脇康文が、舞台と並行して行っていた古巣の「王様のブランチ」は、
寺脇さんの明るく温かいキャラを無意識のうちに視聴者に浸透させていた。
舞台やドラマの脇役よりも、このブランチでの司会が薫役のベースとなって、
視聴者にすぐに受け入れられる素地を知らないうちに作っていたのだと思う。

ふたりとも、それぞれの紆余曲折の経路を苦労しながら歩いてきて、
今の役柄を掴んできた。
そのタイミングが絶妙なのだ。

しかも、大事なことは、
制作スタッフ全員でも、二人の相棒のキャラを大切に育ててきていることだ。
プラスして、
共演している寺脇康文さん自身が、水谷豊の大のファンであるという事実もいい。

さらに『相棒』の脚本に関して言うならば、
かなり緻密に作られてきた歴史がある。
輿水泰弘 古沢良太 戸田山雅司…、数多くの脚本家たちが『相棒』の世界を彩ってきた。
内閣の機密費や政治家の自己保身、
人の欲望の行く末、女の悲しみなどなど、
手を抜かずに、社会の問題になっている部分にも硬派っぽく描いてきている。
ようするに出来がけっこう丁寧なのだ。
スタッフの熱意と愛情を感じる。

8年前に種を植えた植物が、大事に育てるうちに、
年々素敵な花を咲かせるようになり、
今年はついに大輪の花を一挙に開かせたというのが、
『相棒』というドラマではないだろうか。
そんな8年間のドラマ作りの実績というか信用とでも言うべきものが、
視聴者に支持される理由なのだろう。

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コメント
あし@からきました
私も相棒大好きです
訪問ありがとうございます
2008/05/05(月) 19:52:36 | URL | さなすぃ #-[ 編集]
いつもながら・・・
私も土曜ワイドのときから相棒好きで見てました!
ものすごくきれいにまとめられて、いつもながら感心します!

映画版はまだ見ていないですが、近々見に行きたいと思います。
2008/05/08(木) 04:27:18 | URL | ROSE #ApPEEY7.[ 編集]
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