舞台の効果音

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主演は、大泉洋、そして、脇を固める佐々木蔵之介・ 堺雅人・常盤貴子・
田畑智子・伊武雅刀…、
いやはや、味のある優れた役者たちが集まったもんだ。
彼らが出演している映画『アフタースクール』は、非常に面白い。
アフタースクール8

特に、この『アフタースクール』の脚本を手がけ、
そして監督もした内田けんじ監督は、相当な優れものだと思う。
まだ35才。
ついに本格的なメジャーデビューだ。
役者さんたちが素晴らしいので、
僕は初心者マークでベンツを運転している気分でした
」と、
謙虚に語っている内田監督ではあるものの、
なかなかどうして、見事に役者の個性を引き出していた。
とにかく脚本の構成の仕方が尋常じゃない。
観ていても、予想を覆されることがしばしば出てくる。
アフタースクール2

とりあえず、『アフタースクール』のありがちなあらすじは…、
母校の中学で働く、人の良い教師神野(大泉洋)のもとに、
同級生を名乗る探偵(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。
探偵は同級生の木村(堺雅人)を捜していた。
神野は木村と親友だが行方が分からず、
探偵と一緒に捜すことになる……。
というような内容だ。
ただ、後半からどんでん返しの連続になるので、
この「あらすじめいたもの」は、ほとんどお飾りにすぎない。
また、その一つ一つのどんでん返しについて、
無性に語りたいけれども、ネタバレになってしまうしなぁ…。

それにしても、よくまぁこういうタイプの脚本を仕上げたものだ。
つくづく感心してしまう。
とんでもない才能だ。

内田監督曰く、
構想が浮かんだのは、
幼なじみの友人とファストフード店の2階で待ち合わせをしたとき。
1階にハンバーガーを買いに行ったまま、
友人が30分近く戻ってこなかったんです。
理由はただ混でいただけなのですが、
このとき、空想したんです。もし、このまま友人が蒸発したらと。
僕はその友人のことを何でも知っていると思い込んでいるだけで、
実は何も知らないのかもしれない。
まったく知らない事実が隠されていてもおかしくないでしょう
」と。
3年ほどかかって練りに練った脚本だという。
アフタースクール6

内田けんじ監督の得意とする手法は、
一つの情報でも、場面でも、
立場が違うとまったく見え方が変わってしまう
」ということ。
この部分に対する内田監督のある種の執着ぶりは凄まじい。
何度も脚本を書き直しながら、
突き詰めていく内田監督の思考における粘り腰は驚嘆に値する。
でも、
なんだか内田監督の生育歴の中で、
よっぽど自分か、もしくは家族が酷い誤解をされて嫌な思いをした記憶が、
心の奥底にトラウマとして巣くっているのではないかとも勘ぐってしまう。

ともあれ、一つの情報を多角的に見るという発想は、
劇場用デビュー作『運命の人じゃない』でも、
同じパターンだった。
それは、さらに時間軸を複雑に操作する物語でもあった。
かつて内田監督は、
6年間ほど、サンフランシスコ州立大学の芸術学部映画科に留学していて、
日本に帰国してみると、携帯電話が圧倒的に普及。
新宿を歩いている人々が携帯で、
会話をしているという光景に衝撃を受けたことを
きっかけに脚本が生まれたという。
なんにせよ、脚本の中にさまざまな視点を入れて、
そこに表れる差異を表現した。
出演している役者たちは、
それほどメジャーではなかったにもかかわらず、
彼の脚本の実力が認められて、この『運命じゃない人』が、
カンヌ国際映画祭4部門を受賞した。
アフタースクール4

とにもかくにも、
本当に、最後までお客を飽きさせない伏線の張り方が巧妙だし、
才能を感じる。
ある一定の短い物語の筋を思い浮かべたら、
同時に違う人物の違う目的の為に行動しているとするなら、
どんな意味になるということを内田監督はまず考えるのだろうか?
または、一度は単純なストーリーを決めてから、
誤解すると面白くなる部分を追求するのだろうか?
どっちにしても、かなり面倒な作業にはちがいない。

そんな巧みなプロット(物語の筋)に乗って、
役者たちの微妙な表情もまた上手い。
もちろん、演出も冴えている。
特に、大泉洋・佐々木蔵之介・堺雅人ら3人の、
一瞬何を考えているのか読みにくい深みのある表情が、
観る側の抱く「謎」の部分をさらに広げていく。 
監督からも「無表情で台詞を言ってください」というような指示が
入っている部分もけっこうあるという。
大泉洋も、この数年の中で数多くのドラマに出演して、垢抜けてきた。
妙なおかしみを身体から発散させている感じがあって、良かった。
また、佐々木蔵之介は、本当に役者の仕事が好きなんだろうなぁと、
観る側に思わせてしまう人だ。渋く地味な役柄でも、
狂気を秘めたエキセントリックな役柄でも自由自在、
楽しそうに演じている。
ちなみに、堺雅人は、笑顔が怖いなぁ、この人。
3人とも、演技する上での実力者たちだ。
アフタースクール3

しかも、すべての結末を知った後で、
最初から主人公をはじめとする表情の意味を
心の中で反芻してみると別の発見もあり、
ちょっと哀しい気分にもさせられる。

それだけ全員がいい演技をしているのだ。

なんとか内田監督に騙されないように、
ドラマが進行している前半あたりで、
結末やどんでん返しを予想しようとしたが、
結局まんまとやられてしまった。
それが爽快でもある。

これは、観た方がいい。

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アフタースクール5

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