舞台の効果音

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「神様のパズル」(三池崇史監督)を観た。
「宇宙をつくることはできるのか?」という途方もない問いが、
何とも知れず青春っぽくていいですね。
市原隼人君が演じる主人公綿貫基一は、
ロックと寿司を握ることしか知らない。
かたや、
谷村美月さんが演じるヒロイン穂瑞沙羅華は、
人工授精で生まれた少女で、
16才で大学には飛び入学し、しかも高エネルギー加速器「むげん」の設計者。
そんな二人が織りなす対話や大学でのゼミなどで交わされる宇宙論なども
実に楽しい。
特殊な傑作なのではないかと思う。
神様のパズル4

ミステリー的な面もあるので、
穂瑞→ほーみず→「ホームズ」
綿貫→わたさん→「ワトソン」

という比喩の遊びも入っているのだろう。
映画を観ている人たちも、
今、このブログを読んでくださっている方々も、
昔と違って、みんな知的レベルの高い状態の方々ばかりだ。
だから、この映画のように知的好奇心をくすぐる部分に関しては、
ドラマの筋立て抜きに、
見入ってしまったり、考えこんでしまうのではないだろうかと思う。
神様のパズル9

とは言うものの、
素粒子物理学の大統一理論、相対性理論、インフレーション
量子場理論、ひも理論、ブレイン宇宙論、反物質、バリオンの非対称性
バリオン数生成の問題、インフレーション宇宙の課題、高エネルギー物理学の理論
ビッグバン、再結合期(宇宙の晴れ上がり)…、

聞いているだけで、わけがわからず頭が痛くなってしまう。

やたらと出てくるこんな物理学や量子力学理論などの用語については、
確かにちんぷんかんぷんな事項ばかりだ。
それでも、
物理についてはまったくの門外漢である主人公綿貫基一と一緒の気分になって、
それなりに楽しめるように出来ている。
なぜなら、その用語が生み出された数式は分からなくとも、
そのベースとなった発想については充分理解に足るものだからだ。
しかも
無知でおバカで、単純で、でも、男気のある若者(市原隼人)が、
なんとも可愛いく見えてしまう。
高度な専門科学用語とおバカな発言の対比が、底抜けにいいいのだ。
神様のパズル3

さて、「神様のパズル」は、機本伸司さんの小説が原作。
とは言っても、原作の設定やストーリーについても、
映画用にだいぶ改編されてはいる。
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■ とりあえずのあらすじ

突然海外旅行に出かけた双子の弟喜一(市原隼人)の代わりに、
性格も学力も正反対の基一(市原隼人)はゼミへの出席を引き受けた。
ところがある日、不登校の女子学生穂瑞(谷村美月)をゼミへ参加させるようにと
担当の鳩村教授(石田ゆり子)から頼まれる。
納得のいかない基一だったが、弟のためにと割り切り、
彼女の自宅まで行くことに。
だが、 会って話をしているうちに、彼女の不思議なパワーに引き込まれ、
基一は思わず「宇宙をつくることはできるのか?」
という疑問を穂瑞にぶつけてしまう。
そして翌日、不登校だった彼女がゼミに現れ、
同じチームになった穂瑞と基一は、彼女にぶつけた疑問を立証する羽目に…。

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神様のパズル2

原作の機本伸司さんは、現在52才。
甲南大学理学部応用物理学科を卒業されているということで、
物事を思考するベースは、純然たる理科系なのでしょう。
発表されている作品も以下のような傾向ですね。

「神様のパズル」(2002年) …宇宙論、量子物理学、宇宙創生、宇宙の作り方
「メシアの処方箋」(2004年)…生命観、DNA、ゲノム解析、救世主、宗教、文明
「僕たちの終末」(2005年)…太陽系活動の異常、人類滅亡の危機、宇宙船作り

往年の小松左京ばりのSF小説を得意としている。
(というわけで、この作品で第三回小松左京賞を受賞している。)
神様のパズル12

また、エグゼクティブ・プロデューサーの角川春樹氏は、
この原作を獄中で読み、「人間はなぜ生まれてどこへ帰って行くのか、
そういう原始的なことを追求した青春映画を作りたい」
と思ったという。
「獄中で」というあたりが、いかにもこの人らしい。
ご存じの通り、時々やたらと大言壮語かつ大風呂敷を
広げてしまう傾向のあるこの御方なので、
「宇宙を作る」というテーマはもってこいだったのかもしれない。
しかも、監督である三池崇史さんは、超多忙の監督のひとりでもあるし、
最近では『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』という謎の西部劇も作ってしまうという、
作風は自由度の高い監督だ。
その監督本人が、この作品について、
「前半は学園ラブ・コメディ、後半はパニック・ムービー」と言っている。
神様のパズル8


やんちゃで無茶苦茶なタイプの男たちが集まって、
そんな男たちの個性が妙な形でジョイントして、
今回の「神様のパズル」が仕上がったというわけだ。

映画の設定およびストーリーに関しては、原作との差はいろいろあるが…、
たとえば綿貫基一には双子の弟喜一がいて、
基一は弟の代わりに大学のゼミに出席するという形態にあえてした点が気になる。
「宇宙の対称性」などの話題(反物質と物質への連想)もあるし、
主人公をまったくの物理オンチにして、
観客の共感を得るためにも良かったのではないかと思うが、
弟と兄のキャラクターの差がイマイチ描かれていないのが残念。
サブキャラクターの保積が白鳥になっているのは、どうでもいいが、
それにしても、聴講生である橋詰老人が
私には理解できんのです。宇宙が無から生まれたということが…。
このまま何も分からずに死にたくない
」と、
主人公に問いかけるシーンは、なんとも切ない。
その問いから派生して、
やがては、
天才少女自身も「自分とは何なのか」という問いに悩むことになり、
ついには、「宇宙を生みだした存在=彼」についても考え始めることになる。
そんな物語の流れが、
意外と自然に行われているのが見事だった。
その心の流れは、思春期や青春期に経験した何かを思い出させてくれるようでもある。

神様のパズル11

ちなみに、この映画のロケ地は、
神戸大学六甲台本館や
茨城県三の丸庁舎、
そして、
SPring-8、高エネルギー加速器研究機構。
特にこの兵庫県の播磨科学公園都市内にある大型放射光施設SPring-8の外観が凄い。
映画では、「むげん」という名の加速器なので、まったく違う形なのだが、
現実のSPring-8(Super Photon ring-8 GeV:スプリングエイト)は、
その巨大な建物だけを見ても、ちょっと感動的だ。
超微細な電子を加速・貯蔵するためにこれだけ大がかりな建物が必要になるとは、
文化系人間にとっては特に驚異というか脅威でもある。
極大と極小が共存している世界、
それが高エネルギー加速器だ。
原作者の機本伸司さんも兵庫出身なので、
この施設をあきるほど見てきたのだろう。
神様のパズル6

子どもの頃、
青空や星空を眺めながら抱いた「宇宙や存在についての疑問」を
ほろ苦い気分も含めて、思い起こさせられる作品だった。
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■ キャスト

綿貫基一/綿貫喜一:市原隼人
穂瑞沙羅華:谷村美月
白鳥:松本莉緒
佐倉:田中幸太朗
須藤:岩尾望
相理:黄川田将也
鳩村:石田ゆり子
田んぼのおばあちゃん:李麗仙

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