舞台の効果音

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今回は、『ICHI』について。
長い長い旅に出ていて、やっと更新できます。
みなさま、お元気ですか。

25日に、『ICHI』を観てきました。
『ICHI』には、
日本人の原風景というようなものが表現されていて、
なんだかとても懐かしいものに触れたような気がしました。
『僕の彼女はサイボーグ』での綾瀬はるかは、極端に言うと韓国風味のサイボーグ。
たしかに日本人の俳優が、日本を舞台に演技をしているのにもかかわらず、、
その頂点にいて指揮をしているのが韓国人であるクァク・ジェヨン監督であるがために、
その感覚や視点、そして伝わってくる心情や全体のテイストが韓国風だったですよね。
ところが、
『ICHI』での綾瀬はるかは、サイボーグ的な『座頭市』ではあるものの、
孤独や痛みに向かい合い、固く心を閉ざしたまま旅を続ける市の心象風景は、
まさに日本的。
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こいうタイプの作品を、かつて『ピンポン』の斬新な映像で、
注目を浴びたCGクリエーター曽利文彦監督が手がけたというのも興味深い。
(ジェームズ・キャメロン創設のデジタル・ドメイン社にて、
『タイタニック』にCGアニメーターとして参加し、
VFXの第一人者である彼がなぜかその技術を抑制しつつ監督した時代劇。)

「何斬るかわかんないよ。見えないんだからさ。」
「私は生きているかも死んでいるかもわからない」
そんないかにも座頭市っぽい決めのセリフもそれなりに気が利いている。
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子供のころから「瞽女」と呼ばれる盲目の女旅芸人たちに育てられた市(綾瀬はるか)。
三味線を弾き、生きる糧を得る瞽女たち。
しかし、ひとたび男と通じてしまえばその仲間からも弾き出される、
それが掟だ。
ある日、市は男に襲われ、一座を追われてしまう。
離れ瞽女となって、
孤独に旅を続ける市の唯一の目的は、
自分に逆手居合いの技を教えてくれた男を探し出すこと。
やがて、旅を続ける市は、刀の抜けない侍・藤平十馬(大沢たかお)と出会う。
少年時代に、母を真剣によって失明させてしまったという十馬は、
真剣を使わなければめっぽう強い。
でも、過去のトラウマのために刀を抜けない惨めさを味わっている。
そんな十馬との出会いで、市は、
人を愛すること、愛されることを知り、
暗闇の世界に一筋の光が差し込むのだが、
平和な宿場町を狙う悪党万鬼(中村獅童ら)たちにより、
市と十馬にまたひとつ大きな悲劇がふりかかる…。
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ichi 2
脚本を担当した浅野妙子さんの構成力も、優れていると思う。
「市が求め続けた父のような存在の男への思慕の念」と、
「十馬が母に抱いていた慙愧の念」という、
ふたつの思いを並行して描き、その二つの絆が途切れかかった時に、
市と十馬との愛が新たに生まれて、互いに求め合うという以下の設定は、
ベタなりに工夫されている。
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①女は、幼い頃から、目の見えない闇の中で父のように慕っていた男と逆手居合いの技、
その男がくれた鈴の記憶…。
②侍は、少年時代に母を失明させたという心の傷が、刀を抜け無くさせていた。
③そんな女と侍が、出会う。触れ合う、指先。
④侍は、目の見えない女の中に母の姿を重ねる。
⑤女は、万鬼との戦いに打ちのめされ、父のように慕っていた男の死の事実を知る。
深い闇に落ちていく鈴と、はじめて心に浮かび上がってくる侍との温かな思い出。
⑥侍は、女を万鬼に渡すまいとして、初めて刀を抜くことができ、敵と相打ちで死ぬ。
⑦女は、愛する男のために、仕込み杖を刃を一閃、敵を倒す。
愛する人を失ったかわりに得た一筋の光…。
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ichi 11
市と藤平十馬とのラヴストーリーは、この映画の縦軸ではるが、
そこをさらに貫いているのは、「人と人との愛情による絆」である。
だから、ついでに、母を失った小太郎(島綾佑)の設定も、
「愛するという行為」の意味づけを無意識に支えている。
市の目としてそばに寄り添うけなげな小太郎が、夜道を照らしながら、
市と会話をするというようなシーンがシンボリックでとてもいい。

静謐なとでもいうべき殺気と、
仕込み杖から振り抜かれた硬質な刀の動きがそれなりに美しかった。
かなりの稽古の跡を感じるし、
綾瀬はるかの殺陣は、予想外にキレがあった。
ichi 9
ちなみに、
目を動かせないという点を実感するために、
(たとえば相手に名前を呼ばれたときに、
どう振り向くかなどの動作などの演技にむけて)、
撮影前に盲学校に行き、杖のつき方なども学んだという。
綾瀬はるかの女優としての成長も感じられる作品になっている。
そんな演技に関して、
「監督には、市は心を閉ざしているのでオン・オフのメリハリを
うまくやってくれと言われました。
感情を出すときはバッと出し、後はグッと押し殺す。
感情を表に出さない女の子なので、ひと言ひと言がすごく大事だなと思いました。
市が背負ってきたものを背景ににじませるのは、とても難しかった。
市は普段、心を閉ざしていて、感情も表に出さない女性なんです。
それだけに十馬に対して感情をわっと吐き出し
“わたしには境目が見えない”と気持ちをぶつけるシーンでは、
そのメリハリを表現してほしいとおっしゃっていました。
それはすごく印象に残っている言葉ですね。」と綾瀬はるかは語っている。
逆に、
綾瀬はるかが成長している分、虎次役の窪塚洋介や敵役の中村獅童の
相変わらず『ピンポン』のままの停滞ぶりには、ちょっとがっかりさせられる。
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愛を信じられない人間が、人に出会い、少し前を見て歩き出す話であり、
心に傷や悩みを抱いた人間がこの作品を観れば、
日本人的な「人の心の痛みとの対峙の仕方」を思い返すようなきっかけにもなる。
あえてCGを抑え、
厳しい冬の雪道を旅する映像や
中村獅童らの衣装は、歌舞伎風に色鮮やかにしてみたり
曽利監督の映像に対しての細かい計算が生きた作品でもある。
批判などは当然あるだろうが、単なるアイドル映画にはなっていないと思う。
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