舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。

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ついに『天地人』がスタートしました。
昨年の『篤姫』は、これまでにない高視聴率を誇る物凄いドラマになっちゃいましたが、
この『天地人』はどうなるのでしょう?
天地人2
なにせ『篤姫』全50回の平均視聴率は24.5%!
まず、幕末を舞台とした大河ドラマとしても過去最高、
しかも過去10年の大河ドラマとしては最高の視聴率なのだそうだ。
恐るべし『篤姫』。
『篤姫』がなぜ良かったのかということについては、
主役の宮崎あおいをはじめとする役者たちが素晴らしかっただとか、
全話通じて「ホームドラマ」であり、それが分かりやすかったなどと、
その理由についてのご意見もさまざまだったりする。
でも、基本的にはベースとなる脚本が良かったのでしょうね。
あの分かりにくい宮尾登美子の原作『天璋院篤姫』を
魅力的なものに変化させた田渕久美子さんの力量たるや大したもんです。
ちなみに、私の知り合いの某脚本家くんは、
「篤姫なんかは何もドラマティックなことをしていなくて、
どこが面白のよくかわからない!無血開城だってそれほど大したことじゃない」と、
言い張るのですが…。
そういうのって、極論すると「戦争好きな男の意見」なんじゃないかと思う。
私の周りの女性陣は、ついつい録画した映像を何度も観てしまうという人ばかり。
「女の道は一本道」とか「人には役割がある」など、劇中に台詞として語られた思いが
きちんと50話の脚本の中に貫徹していたのが素晴らしいんですよ。
天地人1
あんまり世間の評論家たちが、
批評として言葉にしていないのが不思議なのですが、
この『篤姫』という物語は、
本質的には「人間関係改善」の物語なのだということですよね。
男たちの血なまぐさい戦闘のシーンなどはなくても、
篤姫がステップアップするたびに直面する人間関係について、
ともすれば敵対状態となってしまう人々との関係を、
彼女のまっすぐな言動によって打開していくさまが心地よかったのだと思う。
篤姫の前に何らかの障害として、
かつて立ちはだかった調所広郷、島津斉彬、英姫、島津斉興、
徳川斉昭、徳川家定、和宮、井伊直弼、徳川慶喜…など、
全員が篤姫と見事に融和していく。
天地人3
私たちの日常にふいに訪れる「戦闘」は、
刀の斬り合いでもなければ、殴り合いでもなく、
ただひたすらに「人間関係の悪化」、これしかない。
ご存じのとおり、人は会話している際には、同時に2種類の交流をしている。
一つは声に載せた「言葉」の交流であり、
もう一つは、言語にならない無意識的な「好悪の感情」のやりとり。
ドラマ『篤姫』における脚本・演出で特筆すべき優れた点は、
会話におけるその2種類の交流の変化を丁寧に描いたことにある。
そこにこそ人間関係に対して繊細な人(例えば女性の視聴者)が
このドラマに惹かれる部分であったのだと思う。
そして「家族」というもっとも絆の強い人間関係の描き方にほっとさせられた。
会社でも学校でも家庭でも、人間関係をとりむすぶのには大変で、
つねに悩まされる今という時代に、
まさにぴったり適合していたドラマだったのではないかと思う。天地人8
さて、前置きが長くなってしまったけれども、
これから続く『天地人』という物語、NHKの制作スタッフとしては、
当然ながら『篤姫』で成功した今という時代へのリンクの仕方を
なおさら意識してドラマ作りをしているのだと思う。
今回、それを端的に表現しているのが兼続の「義」と「愛」。
薄汚れ、欲望に満ちた「利」を求める数多くの人間たちの生き方と、
それとは対照的に、「愛」を重んじ、「義」を貫き通した直江兼続の生き方。
これが、今回のテーマとなるんですね。
世のサラリーマンが喜びそうな現代社会とのオーバーラップも当然意識しての主題。
原作は、火坂雅志さんの小説『天地人』。
脚本は、テレビ小説『どんど晴れ』を手がけた小松江里子さん。
天地人7
火坂さんの小説は、読んでみるとそれなりに楽しめるものの、
これを50話の脚本に直すとするならば、かなりの智恵がいる。

第1回「五歳の家臣」(75分)にしても、
まずは、秀吉と兼続とのやりとりで、
「利」と「義」のテーマ性をシンボリックに表し、
「義」を重んじる上杉謙信のキャラクターを
好戦的になっている上田衆とのシーンで描き、
主人公の与六(直江兼続)と喜平次(上杉景勝)との幼き日々の出会いとその家族を、
表現するという超過密な内容になっていた。
頑張っていたなぁ。
この大変な1本分だけでも、小松さんの実力がよくわかる。

期待できると思う。

天地人4
ただ、もともとの火坂さん小説の欠点なのだけれども、
次はどうなるのだろうというような意外性のある部分が足りない。
昨年の『篤姫』などでは、歴史の流れは予定調和で分かっていても、
どこらへんで「人間関係が改善されるのか」
という妙にハラハラドキドキさせられるような部分が意図的に用意されていた。
(ひとえに脚本のうまさによるのだが)
今回の『天地人』ではそのあたりをどう処理するのだろうか?
ちょっと気になる面ではある。
天地人6

また、第1回の中で、意図的に表現されている兼続の母お藤の「紅葉の教え」と
「北斗七星」のたとえは、原作にはなく脚本家小松さんの手によるオリジナル。
これが、50話を通して効果的に全編を貫けるだろうか。
さらには、与六(兼続)の泣くシーンが意図的に多い、
弱さと優しさを抱えた兼続がしだいに強く成長していくための布石のようにも思える。
子役の加藤清史郎くんの演技はかなり上手であったし、
その後を引き受ける妻夫木聡は、もともと泣き上手。
(ぐじゃぐじゃに泣いている妻夫木くんはかなり魅力的ではある)
弱さと人間味をさらけだした演技が、うまくはまってくれることを祈るのみだ。
オープニングから察するに、大がかりな撮影やCGなどについても見所は多い。
ちなみに、武田双雲くんの書がタイトル「天地人」だけでなく、
劇中の旗の「毘」や「龍」に使われていて、
いいんだけれども、それを見るとふと現代に引き戻されるような気分になる。

また、大島ミチルさんの効果音については、
これまでの仕事ぶりをからしてそんなに期待はできないし、
ある程度の平凡さでやむなしというところ。

さわやかに、清々しく、1年間を駆け抜けてくれたらとも思う。
何はともあれ、来週を楽しみにしたい。

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天地人5


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