舞台の効果音

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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
何と示唆の多い、そして寓話的要素にあふれた映画なんだろう…。
久々に素晴らしい映画だと思う。
きっと子供には分からないタイプの作品だ。

老人福祉施設の階段に
捨てられていた老人のような不気味な赤ん坊。
その赤ん坊の名はベンジャミン・バトン。
80歳の姿で生まれ、若返っていった男。
1918年に生まれ、
しだいに若返りながら死んだ男の数奇な物語。
ベンジャミン・バトン 1
どれだけ心を通わせても、
どれほど深く愛しても、
出会った人々と、同じ歳月を共に生きることができない。
ニューオーリンズで置き去りにされていた赤ん坊は、
黒人女性のクイニーに育てられた。
1930年の感謝祭。
ベンジャミンは少女デイジーと出会い、
ふたりは心を通わせ、ベンジャミンは自身の秘密を明かにした。
そこから二人の愛の物語もはじまる。
ベンジャミン・バトン 5
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
いい作品だと思う。
ついにデヴィッド・フィンチャー監督は、傑作をものにした。
そんな感じだ。
皆さんもご存じの通り、原題は、『The Curious Case of Benjamin Button』。
F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説集
「ジャズ・エイジの物語」の中にある同名の作品ががもとになっている。

現在、主演のブラッド・ピットは、1963年生まれで46歳、
そして、ケイト・ブランシェットは、1969年生まれの40歳。
10代のデイジーから、老年まで、ケイト・ブランシェットは演じているが、
CGで加工された若々しく艶のある肌やら、死を迎えようとする老女のメイクと、
年齢が変化することに応じたメイクやベースにあるCGも実に見事だった。
ついでに、
杖をたよりにヨタヨタあるく老人のベンジャミン(ブラット・ピット)の
精密な特殊メイクと合成技術は非常に自然に見えて完璧だ。
シーンごとで、時の流れを逆行する「若返り」の表現にも見応えがある。
さすが150億円の制作費も伊達じゃない。
ベンジャミン・バトン 2
ただ、この映画を観た後のさまざまな批評などを読んでいると、
その「若返り」や「恋愛」の側面に重点をおいた感想が多い。
また、何を言いたいのかが分からないという、
ようするにテーマが不明などというのもかなりあって、残念な感じがする。
この映画は、観る側の方に年齢や人生経験もしくはセンスを要求してくる作品だ。
ベンジャミン・バトン 7
なぜなら、
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』というタイトル通り、
確かに、主人公が人生を逆行していくという設定は荒唐無稽で「数奇」ではある、
だが、そこに散りばめられて描かれている「不条理」・「それぞれの死」・
「夢」・「出会い」・「時間」「老いる悲しみ」・「永遠なるものと瞬間の美しさ」
といったテーマは、荒唐無稽でもなく
「数奇」でもない、
それこそ私たちの人生そのものだからだ。
ベンジャミン・バトン 10
雷に7回撃たれた老人の人生は不条理そのものだし、
最初の友人であるピグミー族の男の孤独は、
誰もが無意識に抱えているものだ。
たびかさなる老人施設の老人たちのそれぞれの死、
育ての親であり、周囲に愛情を注いで生きたクィーニーの死、
本当はアーティストになりたかった船長のマイクの死と
彼の人生を支えた作品としての入れ墨、
ロシアで出会ったエリザベス・アボットが
老境になってドーバー海峡を横断する夢を実現すること、
ボタン工場で財をなし、ベンジャミンを捨てた父トーマス・バトンの死などなど

そのすべてが、私たちのすぐそばにある誰かの人生、
もしくは自分自身に重なってしまう。
ベンジャミン・バトン 12
それにしても、なんと多くのシンボリックなものが
暗号のように込められている作品なのだろう。
それに気がつかなかったり、感じることがなければ感動することもままならない。

作品の冒頭に語られる「時計職人」の話もシンボリックだ。

ある時計職人が戦場で大事な息子を失った。
息子を戦争へ送り出した事への慚愧の思い…。
駅のために、
彼が作り上げた巨大な時計はなんと針が逆に戻るものだった。

人は時として、時を遡りたいと願ったり、
あの時こうしていればという「IF」の念に襲われる。
けれども、針が逆回りする時計を作り上げても、時は戻らない。
本作品の「ベンジャミン・バトン」という存在も、
そういう意味では「逆回りする時計」にすぎないのではないか。
ベンジャミン・バトン 14
また、
作品の中で、何度か登場する「ハチドリ」もシンボリックな意味を背負わされている。
hummimgbirdというぐらい、
絶え間ない羽ばたきをしなければ飛ぶことのできない鳥。
それはまさに必死に「生」をまっとうしようとする人間の姿にも重なる。
映画の中では、人の体から抜け出した魂魄の様に旋回しながら空へ舞っていく。
ベンジャミン・バトン 3
セリフもまた象徴的だ。

「私はベンジャミン・バトン。
とても不思議な人生を送った。
誰もが老いていくのに─私は若返っていくのだ。独りだけ」

「人生は驚きの連続」

「誰もが自分は人と違うと思うもの。
でも行き着く先は同じ。通る道が違うだけよ。」

ベンジャミン・バトン 8

「残念だな、永遠のものがないなんて」
「あるわ」

ケイト・ブランシェットのバレリーナとして、
またダンサーとしての体のラインは、
「儚い永遠と一瞬の美しさ」を言葉以上に表現していた。

たくさんの寓話的なシンボルの意味をこの映画の中からくみ取れなければ
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』を楽しむことはできないと思う。
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ベンジャミン・バトン 11




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