舞台の効果音

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『CASSHERN』の紀里谷和明監督が、
5年ぶりに送り出す監督第2作目は『GOEMON』。
ということで、すでに5月1日に公開されていますね~。
ご覧になった方も多いのではないかと思います。
goemon 6
豪華な役者たちと過剰なまでに手の込んだCG。
なにせ、あの紀里谷監督ですからね。
先日、あるインタビューの中で、こんなことを監督は語っていました。
「『CASSHERN』が最左翼だったら『GOEMON』は最右翼。
今回はジェームズ・キャメロン的なエンターテインメントで、
ほんとにみんなが分かる作品です。
『CASSHERN』では“分からない”という人たちがいたので、
そういう人たちをなくそうという意識は大きかったです。」と。
goemon 3
監督が自ら言っていた観客にとって“分からない”作品である『CASSHERN』は、
冗談抜きにホントに心底わけのわからない作品でした。
ただ、映像に関してはとんでもなく凝っていて、
圧倒的な独自の世界をCGを利用してこんなにも描けるのかと
驚かされたものでした。
紀里谷監督は、実に映像面に関して突出した才能を持ち合わせているんでしょう。

ただ、これまでの作品やインタビューなどを総合的に考えると、
紀里谷監督って、やっぱりバランスの悪い人なんではないかと思う。
自分は映像のみにして、
脚本や編集、演技指導などは他の頼りになる相棒(専門家)に
任せきってしまえばとも思うのだけれども、
全部ご自分でやろうとするから、逆に歪みがでてしまう。
goemon 5
というわけで、今回の『GOEMON』の物語は、
自由を求め自分の運命と闘う五右衛門、
侍になることを願いながら皮肉な運命を辿る霧隠才蔵、
権力欲に燃え闇に墜ちていく豊臣秀吉、
それぞれが、
織田信長暗殺の秘密が封印された南蛮渡来の箱を巡って運命は変化して行くというもの。
goemon 4
「世界を創造したい、という欲求があるんです。
今は、ですが。ちょっと“神コンプレックス”かもしれないんですけど。
映画を創るときは、極端な話、空のデザインから始まっちゃいますからね。」
と、話す紀里谷監督ではあるが、この言葉も彼の性質をよく表してる。
撮影スタッフや役者らの意見も踏まえながら、
総合的に作品をつくればいいものを、
欲張りな紀里谷監督は一人何役もこなしてやってしまうから、
どんどん勝手な思い込みと歪みが作品に反映されてしまう。
それこそ神のごとく、すべて自分でやってしまうわけだ。
きっとかなり自信家なのでしょうし、
自分のセンスからちょっとでもはずれると許せないのかもしれない。
残念だなぁ。
goemon 7

ただ、今回の『GOEMON』は、「意外にいい」という
感想を述べられる方も多い。
なにせ比較しているものが前作の『CASSHERN』なんで、
はじめっから期待していない観客にしてみれば当然こういう評価になるのでしょう。
また、実際にわかりやすい筋立てにはなっている。
(ただ、映像の緻密さに比べてなんと貧相なものであることか)
goemon 2
「もっと人間ドラマ、もっと恋愛をやるかもしれない。
そして英語劇ですね。
というのも今、製作費が限界にきてて、
これ以上のバジェットを求めるならマーケットを
世界に拡大していくしかないんです。
でも、もし日本で撮るなら、カルマ(輪廻転生)を
テーマにしたものをやってみたいなと思います」
これは、今後についての方向性を監督が話した言葉ではあるが、
やっぱりそういうのって、監督自身が自分をきちんと認識していないんですよ。
ムリだろうなぁ
特にこの人にとっては、「人間ドラマ」はやはり似合わないのではないかと思う。
監督本人がある意味人間臭くない人だからしょうがない。
前回の離婚体験みたいな人間っぽい体験の絶対量がきっと少ないんですよ、きっと。

とにかく、とんでもないほどの映像を生み出す才能という武器をもっているのだから、
できれば「輪廻転生」にまつわる映像に対して、
紀里谷監督が関わると、
かなり面白いものになるんじゃないかと思う。
今の日本では、このようなタイプのイメージの限界を超えられる人は何人かいるけれども、
紀里谷監督はその最有力候補。
もちろん、脚本は他のプロにまかせて、
なんだけれども…、できるかなぁ…、
紀里谷監督の映像に対する才能を無駄に消耗するのは、
もったいない。
彼の人間的な成長が必要なのかも。
そして、
彼のそばに優れた参謀がつくことを願うばかりだ。

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goemon 1




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