舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。

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NHK教育
劇場への招待(2007年11月23日、午後10:25~翌日午前0:40)
                           
「何日君再来」                       
                            
日生劇場での筧利夫の舞台をテレビで観ることができた。      
                        
これが、あの噂の舞台かぁという感じだった。
日生劇場に行くには遠いし、なんかで放送されないかと思っていたやさきに観られるとは、ありがたかった。

舞台冒頭、
車いすに座って筧さん扮するプロデューサー日向のモノローグ。
ジョン・レノンの「イマジン」が流れる中、幕が開くと、車椅子に乗った日向英一郎が語り始める。

「この世には、歌ってはいけない歌、奏でてはいけない歌が存在する。
たとえその歌が人々に愛され、口ずさまれていても、である…。」
語られていくそのセリフ。
「…、中国にも、かつて禁じられた歌があった。
それが『何日君再来』である。」

いやはや、なかなかいいですね。

テレサテンの『何日君再来』にまつわる物語を想像し、フィクションとして舞台に表現したこの作品、キャストもけっこういい。

日向英一郎:筧 利夫(レコード会社の音楽プロデューサー)
リン   :黒木メイサ(日向と共にテレサで中国を救おうとする女) アキラ  :藤原一裕(歌手志望の在日華僑三世。中華料理屋を営む) 美華   :石川梨華(アキラの店で働くウェイトレス)
テレサ  :en-Ray(アジアの希望を担う歌声の少女)
孫    :遠山俊也(北京新報社の民主化を望む記者)
劉    :山本 亨(台湾マフィアのボス)
青空のぞみ:彩輝なお(先輩歌手。隠しているが実は在日韓国人)

あらすじ
日本人音楽プロデューサー・日向(筧利夫)と中国のスパイ・リン(黒木メイサ)が出逢った、類い希なる歌声を持つ台湾人の少女・テレサは、台湾の「対中秘密兵器」だった。
テレサをアジアのスターに育て、「歌で平和のために戦いたい」という日向と、その熱い思いに夢を託すリンとテレサ。テレサを奪うべく追ってくる台湾マフィアと中国公安部をかわしながらも、三人はやがてコンサートを行うべく、民主化運動に燃える学生たちと中国人民解放軍が一触即発状態となった北京へと向かう。
(アールユービーのホームページより)

脚本の羽原大介さんも、映画『フラガール』『パッチギ!』で、のりにのっている。
さらには、演出の方も岡村俊一さんですから、これまでの『蒲田行進曲』『つかこうへいダブルス』『歩兵の本領』をプロデュース、演出
してきたのと同様、「つかこうへい」の流れをくむものだ。

テレサテンを題材にしているからって、別に実話ではないし、それこそまったくのフィクションなわけで、また、架空であるからこそ、
当時のアジアの真実やら、国際政治の裏めいたものやら、歌の存在意義などなどが気持ちよく表現されている。

唾液を放射しながら、語りまくる筧さん、つか門下生としての面目躍如たるところだ。飛龍伝の頃を彷彿とさせるね。
とにかく
京劇あり、
ダンスあり、
アクションあり、
テレサの歌あり、(テレサを演じるen-Rayの歌声がいい。)
とにかくもうサービス精神旺盛な舞台となっている。

舞台セットも奥が階段状になっているものを固定化し、あとはバトンのつりものの上げ下げによって、ある時は船、ある時はキャバレー、そしてあるときは、マフィアのあじとなどと変化させていた。非常に上手い。

元モ娘の石川や辻(出産で出演できなくなった)そして、吉澤らがダブルキャストで行う美華役は誰がやってイマイチなのかもしれないが、
ただプロのアイドルとしての意地みたいなものを石川の様子を見ていると感じてしまう。
ようするに下手なんだけど、「私はアイドルです」的なオーラを発散
して舞台に立っていたんだなぁ。(浮いている感じはするが)

それに比較すると黒木メイサの舞台での動きは見事にキレがあった。
「テレサは軍事機密を握っている」とテレサを追う中国共産党の諜報員リン役がはまっている。あのきつい眼が役柄とマッチして、存在感をあたえていた。予想以上の演技力で、驚かされた。

辻褄よりも、伝えたいことを伝えるというあの「つかこうへい」の舞台は、エネルギッシュだが少々観ていると疲れてしまう。
また、あまりにも奔放なので、その伝えたいことも拡散してしまう短所もあったが、この舞台は門下生たちが、マイルドにサービス精神旺盛に客席をひっぱりながら、伝えるべきことを伝えてくれた。

日向こと筧さんの最後のモノローグもそれまでの2時間の舞台があってこそ、染みてくる。
「『イマジン』は、これまでに三度その意味を問われたことがある。一度目は1971年、イマジンが発表された時。ベトナム戦争が泥沼化していたこの時期に平和の歌を歌ったジョン・レノンは、FBIにマークされ、アメリカ政府は彼に国外退去命令を出した。二度目はジョン・レノンが死んだ時。いまだにその死の謎は、政府により隠ぺいされたままだ。そして三度目は、2001年…9月11日。アメリカ中が報復攻撃へと沸き立つ中、政府はこの歌を放送することを禁止した。
この歌もまた、「歌ってはいけない歌」として、国や歴史に翻弄されているのである。
人の歴史が刻まれる、その遥か昔から、人は歌を歌ってきた。あるときは、喜びを表すため、ある時は悲しみを癒すため、そしてある時は、戦いに向かう己を鼓舞するために…。人はその時、自由だったはずだ。…なのに今は……。」

舞台の後の対談で、筧利夫さんが、
「人は舞台を観ているようで、自分の心の中の風景を見ているんですよ」と言っていたのが印象的だった。




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