舞台の効果音

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どうして飯田譲治は、
『あしたの、喜多善男~世界一不運な男の、奇跡の11日間~』の
脚本を書く気になったのだろう?

もともとの原作は、島田雅彦の『自由死刑』(集英社文庫)
この小説は、島田雅彦の作品の中ではけっこう面白いと思うが、
そのストーリーや表現がわかりにくい部分も多く、
また、人物設定などについてはテレビでは差し障りのある面もあって、
テレビドラマ化に際しては大幅な変更が必要な小説なのだと思う。
その分、脚本家飯田譲治の腕の見せ所にもなるのだと思うが…。



かつての飯田譲治と言えば、
あの 『NIGHT HEAD』のイメージが鮮烈だった。
SFっぽい超能力が小道具として使われていたものの、
そんなことより人間の心理の不気味さや
都会のもつ理由もない怖さみたいなものが独特な感覚で描かれていた。
超能力兄弟、霧原直人役の豊川悦司も
霧原直也役の武田真治も、やたらと初々しく怯えながら逃避行を続けていた。



さらにその後に制作された『ギフト』も、予測しにくい結末を用意している脚本で、
「木村拓哉の記憶はいつ回復するのか?そして…結末は…」などと、
やっぱり才能の片鱗と強烈な何かを感じさせる作品でもあった。

どの脚本の中にも、「若くて野心いっぱいのギラギラした熱」みたいなものが渦巻いていた。




それがなぜ飯田譲治は、『自由死刑』をネタに脚本を書く心境になったのだろう?

しつこいだろうが、気になる。
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■ とりあえずの今回のあらすじ

さえないが善良が服を着たような、人を信じやすく騙されやすい平凡な男、
喜多善男(小日向文世)は、
無二の友人だった三波貴男(今井雅之)の命日の墓参りのあと、
11日後に、自分も死のうと決意する。

偶然出会ったキャバクラのスカウトマン矢代平太(松田龍平)は、
気が弱く小市民的な善男とは対照的に、大雑把で見るからに悪そうな奴だった。
だが、矢代平太は死を決意している善男に興味をもって、
どういうわけか何かと面倒を見ようとする。
キャバクラ嬢のお姉ちゃんたちや恋人のリカ(栗山千明)にも会わせてみたりもする。
そんな平太から
「死ぬまでにやっておきたいことはないのかい」と聞かれ、
善男は11年前に結婚し
あっという間に離婚した元妻みずほ(小西真奈美)に会いたいことや、
かつて会ったことのあるアイドル宵町しのぶ(吉高由里子)と話してみたいと語る。

死ぬまでの11日間を喜びに満ちたものしたいと願う喜多善男だが、
その日からこれまでの彼のキャラクターにはそぐわないような人や
事件に遭遇し続けてしまい、喜多善男の運命の歯車は大きく狂い始め、
妙に刺激的なものに変化していく…。

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原作の方向性を踏襲するなら、
やがて、矢代平太は喜多善男を保険に入れたり、
さらには、殺し屋を雇って善男を殺害しようと考えたりするというのも、
またこれから先のお話だし、飯田さんがどう話を変化させるのかも楽しみだ。

とにかく「自ら進んで、死に向かう男」の物語、
それが『あしたの、喜多善男』である。

小日向文世さんの初主演ではあるが、
まさにこの「死に向かう男」の役柄にぴったり。
はまり役です。ホントにちょうどいい。
(ホントはちなみに原作では30代後半の主人公であったりもするが)

そういえば、最近、なんだかよくわからないけれども、
「死に向かう男」的な設定の物語をよく目にする。
2006年~2007年の映画やドラマなどの作品を振り返ってみても、
シンクロニシティ(共時性)というほど大げさでもないが、
この種のタイプ(死に向かうか、記憶を失うか、人生を振り返るか)
の作品が続いて発表されている。



2006年 『明日の記憶』(アルツハイマー病に犯され、記憶の死に直面する)
2006年 『椿山課長の七日間』
2007年 『Life 天国で君に逢えたら』
2007年 『象の背中』
2007年 『転々』※ちょっと設定に無理はあるがこれも似ている。
2008年 『あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、奇跡の11日間〜』


どうしてなんだろう?

これらの作品制作の中心になっている監督もしくは、
脚本家たちの年齢を書いてみると、
こんな感じになる。



『明日の記憶』→→→→→→→堤 幸彦(51才)監督※制作当時
                    渡辺 謙(47才)主演※制作当時
『椿山課長の七日間』→→→→浅田次郎(51才)原作※原作小説発表当時
『Life 天国で君に逢えたら』→→新城毅彦(46才)監督
『象の背中』→→→→→→→→秋元 康(52才)脚本
『転々』→→→→→→→→→→三木 聡(47才)監督
『あしたの、喜多善男』→→→→飯田譲治(49才)脚本
                    島田雅彦(47才)原作

ということで、彼らの平均年齢を出すと、だいたい49才。
こういうことを考えたくなるお年頃なのかもしれない。
主演の小日向文世さんにしても53才、ちょうどこのゾーンにあてはまる。

結局、
高度経済成長でがむしゃらに働き、
バブルではじけ、その後リストラされたり、定年をむかえていく団塊の世代の背中を
見ながら、やや距離を置いてその後ろを生きてきた男たちが、
今、無意識のうちにも自分たちの生き方を自問自答し始めているように思えてならない。

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■ とりあえずのキャスト

喜多善男 :小日向文世
矢代平太 :松田龍平
鷲巣みずほ:小西真奈美
長谷川リカ:栗山千明
宵町しのぶ:吉高由里子
江端達夫 :岩松 了
三波貴男 :今井雅之
森脇大輔 :要 潤
杉本マサル:生瀬勝久

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すでにこのキャストを見るだけでも、
原作と比較して、大幅な書きかえ作業が行われていることも分かる。
例えば、元妻の鷲巣みずほ(小西真奈美)のキャラクターや
それに付随する森脇や杉本などは、飯田さんによる新たな創造となるので、
もはや結末ふくめて、原作とは違うことが表現されるのはまちがいない。



矢代平太に扮する松田龍平も、25才、年齢より老けた感じで頼もしくなったものだ。
弟の翔太よりも松田優作似ではないだろうか。
やる気のないアイドル宵町しのぶ役の吉高由里子もそれなりに魅力的だ。
また、長谷川リカ(栗山千明)の役柄もどんな意味合いになるのだろう。
キャストの一覧を見ていると、
飯田さんがいったい何を考えているのかと、
勝手に想像してしまっている自分に気がついてしまう。

さて、
昔、北海道の富良野にある倉本聰さんのご自宅を訪ねてというか押しかけて、
脚本の話を聞きに行ったことがあった。

ログハウスの素敵な居間で、倉本さんは、タバコをくゆらしながら、

ドラマや映画の内容というのはねぇ、2行で言えなくてはならない。
しかもね、その2行が魅力的なものでなければ、企画は通らないんだねぇ


と言っていた。
2行と言ってもどれだけの分量かはわからないが…。

ともかく今回の飯田譲治の『あしたの、喜多善男』を2行で言うなら、

人知れず人生の幕を閉じようとした男が、思ってもみない大事件に巻き込まれ、
再生してゆくまでの11日間を描くヒューマンサスペンスドラマ

ということでしょうか。

これは魅力的なのだろうか?

すくなくとも、40代後半から50代前半にかけて、
いや若くても自分の人生を振り返って考えようとする人間にとっては、
ちょっと刺激になるのではないだろうか。

視聴者の予想を裏切るような飯田譲治さんの脚本技術に期待したい。 

と、書いていたら、
また、雪が降ってきました。
静かに、静かに雪が降り積もっていくようです。


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コメント
自由死刑
昨日、偶然にもチラッと最後だけ見ました。
この人が主役なの・・・。という感じでした。
タイトルが「自由死刑」、死ぬまで11日・・・などを見ていたら、面白そうだなあと思えてきました。
このブログを読ませてもらって、さらに興味がわいてきたので、次回からは注目ですね。
もっと早く知っていればよかった。
2008/01/09(水) 18:49:01 | URL | たくたくろ #-[ 編集]

はじめまして、あし@の履歴から参上しました。
petitと申します。

私も「あしたの、喜多善男」見ました。
小日向文世さん、ハマリ役でしたね!!!
もっとほんわかムードのドラマかと思ったんですが、
いい意味で裏切られたような感じがしました。
これからの展開が楽しみです。

2008/01/09(水) 23:09:04 | URL | petit #epEJ4qyQ[ 編集]
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