舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。

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遅ればせながら、『薔薇のない花屋』の第1話について。

「野島 伸司という脚本家の作品について好きか嫌いか」と聞かれたら、
自分の場合は、きっと「嫌いだ」と答えるのだろうと思う。

1988年の『君が嘘をついた』から始まって、
異常に視聴率のよかった『101回目のプロポーズ』、『愛という名のもとに』、
『ひとつ屋根の下』などなど、どれもそれぞれ観てしまっているものの、好きにはなれない。

ドラマ作りの基本に、キャラクター設定において、
「その個々の人物の履歴や心の部分などにキズをつける」という技術がある。

また、ドラマのストーリー展開においては、
「喜びのあとに悲しみを、悲しみのあとに喜び」を描くという技術もある。

そのどちらの面においてもは、野島伸司はあざとくやり過ぎる。

よくぞまぁ、後味の悪いドラマを
何度も何度も趣向を変えて打ち出してくるものだと思ったりもしていた。



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君が嘘をついた(1988年、フジテレビ) 愛しあってるかい!(1989年、フジテレビ)
すてきな片想い(1990年、フジテレビ) 101回目のプロポーズ(1991年、フジテレビ)
愛という名のもとに(1992年、フジテレビ) 高校教師(1993年、TBS)
ひとつ屋根の下(1993年、フジテレビ)この世の果て(1994年、フジテレビ)
人間・失格〜たとえばぼくが死んだら(1994年、TBS)
未成年(1995年、TBS) ひとつ屋根の下2(1997年、フジテレビ)
聖者の行進(1998年、TBS) 世紀末の詩(1998年、日本テレビ)
リップスティック(1999年、フジテレビ) 美しい人(1999年、TBS)
高校教師(2003年、TBS) プライド(2004年、フジテレビ) あいくるしい(2005年、TBS)

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たとえば、
「家なき子」の安達祐実に言わせた「同情するなら金をくれ!」とか、
「101回目のプロポーズ」では、
武田鉄矢に走ってくるトラックの前に立たせて叫けばせた「ぼくは死にましぇん!」、
世間では名台詞と言われているそうなのだが、いやー、気持ち悪い。

まして気になり出すと「ひとつ屋根の下」の兄ちゃんこと江口洋介の
軽薄なセリフなどについても、
ことごとく背中がぞっとするほどの気持ちの悪さを感じざるえないことばかりだった。

不幸に不幸を上塗りするそのギトギトした厭らしさがこの野島伸司の世界にはある。
そんなに嫌だったら、観なければいいのにと言われてもしょうがないが…。
怖いもの見たさというか、嫌なもの見たさで、彼のドラマを観てきてしまった。
そういう人も多いのではないかと思う。

その極端さがかつての視聴者にはうけていたりもするのだが、
現在に近づくにつれて、その視聴率にしてもしだいに低落傾向になってきた。
視聴者だって知的水準は本当に高いので、
こういうパターンが類型化されると、いいかげん食傷気味になるのは当然だとは思う。



だが、それでもなおかつこの20年間にもわたって、
傷にさらに傷をつくり、不幸に不幸な状態を重ねて、
キャラクターの新たな新事実が悲劇的なものだったみたいな脚本を作ってきた。

ある意味、驚嘆すべきことなのかもしれない。

野島伸司は逆説的に凄いのかもしれないとも思う。

少なくとも、ここまで極端に徹底した脚本を作ってきた人間は日本には他にいない。

しかも、
メディアでの露出も本当に少ない彼なので、大した情報もない。
結局はドラマから、その人物を類推するしかないのか…。

とにかく、
いったい野島伸司という人は、どういう人物なのだろう?
という素朴な疑問が
いつまでもどういうわけか解き明かされない感じで、これもまた釈然としない。
それが、彼のドラマを観てしまう自分の動機になっている。



そんな中で、『薔薇のない花屋』が先日にスタートした。
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小さな花屋『フラワーショップ雫』を経営する汐見(香取慎吾)は、
8歳になる娘の雫(八木優希)を男手ひとつで育ててきた。
そんなある日、白戸(竹内結子)という女性が
振り出した雨を避けて店に駆け込んできた。白戸は白い杖を携えている。
白戸は雨宿りの礼に花を買うと言い出した。

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最初の15分だけでも、いやはやという感じではある。
香取君演じる汐見は、
「花屋に悪い人はいない」なんてなセリフを何度も言われていることから、
当然、過去があるわけで、
死んだ彼女(妻)に対しての何らかの罪はあるのだろうし、
盲人という設定でのスタートの竹内結子が、
早くも本来は安西病院の看護師で、安西(三浦友和)の命により、
汐見英治を破滅においやるために送られてきたという…、もう、いやはや。

確かに、伏線を大量にばらまいて、視聴者の興味をひく流れにはなっている。
また今までと同じことを繰り返すのだろうか?
と思っていたら、
インターネットのニュースで
「野島伸司、3年ぶり連ドラ脚本 新たな気持ちで“戦場”へ」
という記事が配信されていた。※1月8日8時0分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080108-00000106-san-ent
この記事の内容は、自分にとってはちょっとだけ驚くべき内容だった。
野島さんのインタビューとしては、かなり珍しいのではないかと思う。
松本明子さんというライターが書いた記事。
※ちなみに、この松本さんは結構優秀な人だと思います。

そこでの野島伸司の言葉だけを引用させてもらいます。
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●「職業作家として、自分を意識したときにひどくなってきたなあと思った。
 それに視聴率が取れる内容をと色濃く出したときに視聴者がついてこず、
 訳がわからなくなっていやになったこともあった。
 あと、当時の各局の仲間がえらくなってしまい、
 世代交代で若いプロデューサーと仕事をともにする混とんとした気持ちの時期もあった」


●「視聴者を引き離さないようにどんな卑怯な手を使っても見せたいと
  思っていた時期があったが、
 自分も年を取って穏やかになってきたのか、
 昔のドラマが痛くて見られないときもある。
 思い入れがないのにやってしまった仕事もいっぱいある。
 これからは一つひとつの仕事をこれが最後だと思ってやろうと思う」

●「普通に暮らす市井の人だが、自分の闇を消したいと思っている主人公です。
  今回のドラマでは“引きの美学”を見せようと思っている」

●「チェスする感覚で、ラストでチェックメイトする。
 イメージとしては『ニュー・シネマ・パラダイス』のような終わり方をしたい」

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現在45才の野島伸司の心境が、この短い言葉の中に良く出ている。
この20年の中で、
それなりの変化が彼の中にも起きているという事実が新鮮だった。

視聴率への疑問、
卑怯な手への反省、
一つひとつの仕事をこれが最後だと思う気持ち、
引きの美学、
『ニュー・シネマ・パラダイス』のようなラストへの指向…。




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■『ニュー・シネマ・パラダイス』
ローマに住んでいる映画監督サルヴァトーレは、
故郷のシチリア島の村からアルフレードが死んだという知らせを受け取る。
30年間故郷に帰っていないサルヴァトーレは少年時代の回想を始める。
戦争で父を亡くしたサルヴァトーレ(愛称トト)は映画に魅了され、
村の映画館「Cinema Paradiso」をのぞき見しようとして、
映写技師アルフレードに近づく。やがて二人の間には友情が芽生える……。
歳月を経て、葬儀の後、
死んだアルフレードが託した
「幾多のキスシーンだけをつなぎあわせたフィルム」を観て、
涙する大人になったサルヴァドーレのラストシーン。

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この映画は、いいですね。
『ニュー・シネマ・パラダイス』のラストシーンには、
失ってしまった自分の恋愛への愛惜や、
人間という生き物のけなげな「生」に対する愛おしさに満ちている。

あの野島伸司が、ここに向かうのか…。
非常に驚きであり、それならば実に楽しみというか…。

さて、
このブログを読んでくださっている皆さんは、どう思われますか?
あなたは、脚本家野島伸司さんについてどう考えますか?
ふと、みなさんに問いかけてみたくなりました。


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コメント
ドラマ
確かに感動するドラマ、視聴率を取るドラマでした。
私も喜んでみていたのですが、彼の作り出すドラマは、極端な不幸を連続させてゆく手法が見られました。
言われてみれば確かにそのとおりです。
視聴者をひきつけるために脚本を書いているのは、果たして作家と呼んでいいのか。
「ニュー・シネマ・パラダイス」のようなドラマ、観たいですね。
2008/01/17(木) 19:00:33 | URL | たくたくろ #-[ 編集]

う~ん。私は101回目のプロポーズや一つ屋根の下好きですけどね~。
不幸でひっぱるのであれば、北の国からに食傷気味になりました。
2008/01/17(木) 22:30:43 | URL | 虎龍 #-[ 編集]

好きか嫌いかは別にしてこれだけの作品を手がけたのはすごいなーと感心します。人気番組ばっかりだし!そしてそのほとんど(1作品のみしか)見たこと無い私自身にもちょっとびっくりしてしまったとかしなかったとか。
2008/01/18(金) 06:52:34 | URL | zin #-[ 編集]

私は、野島 伸司さんの脚本は好きです。
ただし、「未成年」という作品までとういう条件付です。

その頃ちょうど私が、多感な時期であり、
衝撃が大きかったということが
好きという理由かもしれません。

ただ、最近の作品については、
わけがわからなく、ありえないことが多いので
見る気になりません。

野島 伸司さんも色々とお悩みなんですね。
2008/01/19(土) 23:29:20 | URL | りつ #MF8IyTP2[ 編集]
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