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舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。




(http://www.tv-asahi.co.jp/koshonin/)より

「あなたは、脚本家・野島伸司についてどう考えますか?」 (01/17)
という問いかけをしたまま、20日になってしまいました。
すいません。

そして、「たくたくろさん、 虎龍さん、ZIN さん、りつさん」、コメントありがとうございました。

なかなか慌ただしくて、ブログの更新ができないままでしたが、とりあえず書きます。
本来的には、野島伸司がどうこうっていうわけではないのですが、
この野島さんの作品を見ていると、
「脚本家にとってセンスというのはどういうことなのか?」と
どういうわけか無意識のうちにも、考えさせられてしまうのです。

例えば、この今回の冬ドラマの第1話での獲得視聴率を見ていただきたい。
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1/06(日)「篤姫」(NHK)20.3%

1/08(火)「ハチミツとクローバー」(フジ系)10.0%
    「あしたの、喜多義男」(フジ系)8.0%

1/09(水)「斉藤さん」(日テレ系) 17.4%

1/10(木)「交渉人」(テレ朝系)16.7%

1/11(金)「エジソンの母」(TBS系)11.0%
    「未来講師めぐる」(テレ朝系)9.0%

1/12(土)「1ポンドの福音」(日テレ系)13.0%

1/14(月)「薔薇のない花屋」(フジ系)22.4%

1/15(火)「貧乏男子 ボンビーメン」(日テレ系)16.5%

1/17(木)「だいすき!!」(TBS系)10.9%
    「鹿男あをによし」(フジ系)13.0%


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野島伸司の「薔薇のない花屋」(フジ系)22.4%が、圧勝という結果となった。
香取君だけでなく、
当然、演出の中江功さんをはじめとするスタッフ全員が大喜びしているはずだ。
「次の話が気になる」、「あのキャラの謎を知りたい」というような感じで、
次回もきっと20%を越えるのでしょう、きっと。

過去の作品でも、
売れた野島伸司脚本ドラマはこんな調子のスタートで、
ぐんぐん視聴者を引っ張ってきた。
速筆でも有名で、第1話ぐらいのあたりで、
全話の脚本が完成してしまうという人でもある。
しかも、その後の手直しはしない。



さらにもう一つ言うなら、
「君が嘘をついた」(1988年、フジテレビ)・「愛しあってるかい!」(1989年、フジテレビ)・
「すてきな片想い」(1990年、フジテレビ)・「101回目のプロポーズ」(1991年、フジテレビ)

などは、まったく取材しないで書いてきている。

とんでもない才能というかセンスなのだと思う。

しかも、 「愛という名のもとに」(1992年、フジテレビ)あたりから、
やっと取材活動をはじめ、
その旨みを知ったというから驚きだ。
ようするに、野島伸司は脚本家としてデビューした当時から
すでに
どうすれば視聴者は興味を惹かれて、そのドラマを観るのか
ということに対しての技術というか、やはりセンスがあったのだ。

1993年にスタートした「ひとつ屋根の下」にしても、
これは職業物(弁護士とか外資系サラリーマンとか、医者など)ではないので
そんなに取材などはしていないのだろうから、
なおさら野島伸司はかなりの作品を自分のセンスだけでやりきっていることが分かる。

恐ろしいほどの能力だと思う。

本当は、ドラマ1本を作るにしても、通常の人間だったらどれほど苦労することか…。
そう言う意味では、これって、
18世紀の頃、性格は破綻をきたしているくせに
「下書きをしない天才」と言われたモーツァルト対して、
苦労しながら楽曲を作り続けていた同時代の宮廷音楽家たちが
抱いていたであろう苦々しい気分に近いかもしれない。


(http://www.tv-asahi.co.jp/koshonin/)より

さて、今回の冬ドラマで、この野島伸司と対照的な脚本家がいる。
それは、『交渉人』の脚本家寺田敏雄だ。
『交渉人』の第1話の視聴率は、20%越えもならず16.7%となり、
あまつさえ第2話では米倉涼子を下着姿にまでさせたのに
なんと13.8 %にさらに下がってしまった。 
惨敗である。

米倉涼子だけでなく、個性派ぞろいの男性共演陣たち
筧利夫、陣内孝則、高橋克実、鈴木浩介、城田優、高岡蒼甫、高知東生ら)が
存在していても、脚本と演出の能力が低ければ無駄に終わってしまう。
すでに無駄に役者を使っているという批判の声まで上がってきつつある現状だ。

この寺田さんは、
努力の人であり、現場でたたき上げられてここまで来た。
30代頃は、不本意で嫌な仕事ばかりやらされてきているにちがいない。

だからこそ今回はかなり気合いを入れて、
きっと野島伸司よりはるかに取材活動をして、
このドラマを作ってきているはずなのだ。

これも、勝手な推測だが、
寺田さんは「交渉術」や「警察機構」、「武器」、「犯罪の歴史」などなどを丹念に調査し、
さらにはありとあらゆる刑事ドラマなどもチェックして、
盗めるところは盗んできているのだと思う。
その作業たるやもう壮絶なことだろう。
ひたすらもがいて苦しみながら、
ドラマを作っている雰囲気を感じてしょうがない。

『交渉人』の各場面をみていると、
どこかでこんなシーンを見た経験があるという気分になるのは、
そんな調査や学習の悪影響だと思う。
また、
結果的に「ものマネとパクリ」のつぎはぎだけでは、
「次の話が気になる」、「あのキャラの謎を知りたい」という方向にはならない。
野島伸司に比較すると、
あまりにも不器用で、悲しいぐらいに脚本作りのセンスがない。

脚本作りのセンスの第一条件はオリジナリティであり、
観ている者が予想できない展開や答えを用意していることなのだ。

けれども、
私が野島伸司の脚本がどうしても苦手で好きになれないのは、
彼の優れた脚本センスによって、
まじめに視聴者がそのドラマにのめり込まされている場面の舞台裏で、
彼がしてやったりとなんだかバカにするような表情でニヤニヤしている気がすることが
多いからなのだと思う。

本気になってもっと苦労し努力して脚本を作れば、
野島伸司はもっと高い所へ到達できるのに、彼はなぜかそこを目指さないできた。
あまりにも才能を無駄遣いしているような気がする。
もったいない。

ヴァイオリニストの松野迅と将棋の谷川浩司との対談に
直観は才能ではない。日々の努力の賜物である」という言葉がある。
もしこの言葉が本当だとするなら、
技術だけでなく、
センスですらも日々の努力によって高められるはずであり、
そこにこそ凡人の生きる道もある。

そう思うからこそ、
野島伸司の視聴者の心をもてあそぶように安易に作られる数字のいい作品は、
あまりにもったいないと感じるし、
もがきながら悪戦苦闘している寺田敏雄の『交渉人』については、
何らかの突破口を見いだしてほしいと願ってしまう。




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コメント

嫁さんが米倉涼子のファンということで
付き合いで「交渉人」見たのですが・・・
残念な感じでしたね~
なんかやりたいことは伝わってくるのですが
えらいチグハグな出来栄えでしたねー
嫁さんももう見ないようです。残念
2008/01/20(日) 22:50:10 | URL | zin #-[ 編集]

初めておじゃましますm(__)m
『交渉人』に1票!米倉さんの役作りにホレます!
2008/01/27(日) 03:08:34 | URL | マリリン #-[ 編集]
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