舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
yuuko takeuti 1

日曜日のTBS系ドラマ『佐々木夫妻の仁義なき戦い』の
第1回目の視聴率が17.3%だったという知らせがニュースとして登場してくる中、
香取君の『薔薇のない花屋』の第2話が放送された。

前回よりもさらに野島伸司の巧みな脚本作りの技術力を感じる回だった。

今回の第2話を観ていて、
ふと思うことは、
シナリオでの『会話』というものの取り扱いについて。

ドラマの中で、役者は、たくさんのセリフを放つ。
それは、意味のある重いセリフである場合もあるし、
どうでもいいセリフの時もある。
ただ、
このセリフというものの捉え方に、脚本家の個性があらわれるようだ。

かつて、倉本聰さんは、富良野塾のライター講座で、塾生たちに以下のことを教えていた。
-------------------------------------------------------------------
『セリフというのは、2重線をもつんだ。

ひとつは、はっきりと意志を伝達するためのセリフ
「この道をまっすぐ行って2番目の角を右に曲がれば郵便局です。」
というような。

もうひとつは、その場を取り持つために音として置いてしまうセリフ。
つまり、日常会話だね。

例えば、相手に好意を伝えたい時、
こう言ったら露骨だろうか、
こう言ったら伝わらないかなんて、
いろいろ考えて時間があくだろ。それが、間なんだ。
あまりに間が空きすぎて、
これ以上空くとしらけてしまうと不安になって、
つい「その服、高島屋の包装紙の模様に似ていますね」なんて、
とっさに言ってしまう。
変なこと言っちゃって、しまったと反省する。
今の正しかったのか、正しくなかったのか。
頭の中で考える。

また間だ。

「高島屋って言うのは~」などと言ったりする。
これが面白いんだ。
全部が意思伝達だけだったら、つまらないだろ。
プロでそういう脚本家もいるけどさ。』

-------------------------------------------------------------------
この会話に対する脚本家のスタンスで、
まさに『北の国から』は成立している。
一見、
無駄な日常会話をしている黒板五郎と純の心の中には、
まったく別の想いが渦巻いている。
当然、それは視聴者にもよく分かるような仕組みになっている。

これも一種の職人的な技術の累積から生まれた智恵なのだろうと思う。



さて、
ところが、『薔薇のない花屋』での、
脚本家野島伸司さんは、どうやらそんなスタイルはとらないようだ。

汐見英治こと香取君と白戸美桜こと竹内結子とのやりとりには、
倉本聰的な日常会話は、ありそうでない。

いや、汐見と他のキャストたちの会話にも、倉本聰的な日常会話はなされていない。

それじゃぁ、どんな会話が為されているかというと。

例えば
老人ホームに行くことが決まった菱田桂子(池内淳子)に対して、
喫茶店コロンのマスター四条健吾(寺島進)は、
みんなでお別れ会をしようと提案したが、
当日、待てど暮らせど菱田桂子は現れなかった…。
結局、桂子をさがしに行く英治と娘の雫。

やがて、桂子を見つけて…
-------------------------------------------------------------------
菱田桂子:「お別れ会は湿っぽいから」
汐見英治:「俺たちと一緒に暮らしませんか?」
菱田桂子:「同情するんじゃないわよ」
汐見英治:「同情しているわけじゃないんですよ。
        雫だって、これから思春期に入るのに男親一人じゃ困るし…。」
汐見 雫:「そうだよ、暴れるよ」
汐見英治:「もっと花について教えてほしいんですよ。花がなければ死んでしまうって言            ってたじゃないですか。店にならいつでも花がありますよ。」
菱田桂子:「売り物でしょう」
汐見 雫:「売れ残りがあるよ!」

-------------------------------------------------------------------
この会話は、
3人の名優?(香取君、池内さん、八木ちゃん)が上手に演じているので、
実に感動的に見える。
それはもう美しいセリフの掛け合いになっているように感じさせられる。
ただ、
このセリフとセリフの組み合わせができた背景は、
きっと上述の会話を読んでみて分かると思うが、
一種の連想ゲームのような「言葉の連鎖」から出現している。

①「湿っぽい」→「一緒に(明るく)」→
③「同情?」→「同情×」→
③「花のこと」→「売り物」→「売れ残り」

まるで、言葉遊びをしているような感じの作りになっているのだ。

この野島伸司さん特有の「言葉の連鎖」によるセリフ回しは、
ちょっと酔っている白戸美桜と
それを心配して迎えに来た汐見英治のちょっとロマンチックな会話にも出てくる…。

白戸美桜:「人はお荷物なの。私だって、あなたのお荷物じゃない。」
汐見英治:「あなたは荷物だから、
        とっても壊れやすい荷物だから、大切にしないといけない」


「(ただの)荷物」→「壊れやすい荷物」という言葉の連鎖による、
ややキザなセリフとあいなった。

上のふたつのシーンは、非常によくできていて、感動的だったりもする。
(お姫様だっこみたいな冷や汗もののサービスもあったが…。)

けれども、こんなところが野島伸司さんの特徴的な面とも言える。
これまでの作品をそんなに取材などもしなくても、
作品を成功に導いてくることを可能にしたテクニックの一端が現れているように思う。

そう考えると、
野島伸司さんが生み出すセリフの構成を考えれば、
彼のやろうとしていることが推理できるような気もする。

とりあえず、
今回の「薔薇のない花屋」第2話「花のように笑う人」には、
一環して、
「善意、同情、優しさ」という言葉の連鎖が流れていたようにも思う。

これはこれで、ドラマを構成する力業なのかもしれない。

もちろん、
ちょっとずつ工藤直哉(松田翔太)や 白戸美桜(竹内結子)、
安西輝夫( 三浦友和)のナゾを小出しに明かにもしてきている。

さてさて、
次回は、どんな「言葉の連鎖」でセリフとドラマを紡ぎだしてくるのだろう?


スポンサーサイト
コメント
セリフ
なるほど。
セリフひとつでも、いろいろ違っているのですね。
あんまり考えたことなかったですが、会話によってストーリーが展開してゆくので、重要な部分でもあるのですね。
これもテクニックですね。
2008/01/22(火) 08:37:49 | URL | たくたくろ #-[ 編集]

そんなにセリフに深い意味があるとは知りませんでした。
勉強になります。
2008/01/23(水) 00:03:52 | URL | 虎龍 #-[ 編集]
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://butainoneiro.blog117.fc2.com/tb.php/84-88335c93
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。