舞台の効果音

演劇、ドラマ、映画、効果音、音効、サントラ、サウンドトラック、 プレゼン、劇、学校祭、音楽、BGM、SE、音、曲、学芸会、学園祭、発表会など ドラマについてや場面に応じた音楽などの話題を中心としたブログです。

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あをによし寧楽(なら)の京師(みやこ)は咲く花の薫(にほ)ふがごとく今盛りなり

六本木の街をぶらぶら歩いて、ふと見上げればそびえ立つヒルズの森タワー。
なんでまた無駄にでかい建築物を人は造るのかなーなんて思ってしまうように、
きっと古代の日本人も、同じような気分で、
平城京の巨大な建築物と行き交う人々を見つめていたに違いない。
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「あおに‐よし」【青丹よし】かぁ、

「平城京の青や朱の彩りの美しさから来ている」という先生もいれば、
「平城京のあたりには極彩色の建物などは無かったはずだから、
「あをによし」という枕詞の本来的な意味は、都の美しさとは関係ない」
というどこぞの無粋な国文学の教授もいるんだけど…。

そんなもの個人的な想像で言うなら、
「あをによし」っていうのは、建築物の色彩じゃなくて、
この街を歩いている女の子たちのきらびやかなファッションなんじゃないかと思う。
今も昔も、街を歩く時の楽しみといえばは女性のファッションなのですから。
だから、地方からこの平城京にやって来た古代人のお上りさんたちが、
きょろきょろしながら、かたわらにいる友達に
「いやー、やっぱりねぇ、青によし!」
(枕詞だけど、「どんだけー」程度の意味で、つい叫んじゃう)、
「奈良の都っていうのは、咲いている花の色香も艶やかだし、
道行く女の子たちもおしゃれよね~」、
「やっぱり都会だよ~、いけてるー」
ってな感じで、
会話をしていたんじゃないだろうかと思う。

さて、今回は、ドラマ『鹿男あをによし』について。

ご存知の通り、この作品は、万城目学原作の『鹿男あをによし』をもとにして、
玉木宏君主演で、順調に第2話も放映されている。
視聴率は、ちょっと低調で、第1話が13%、第2話が11%ということだそうだ。

とはいうものの、
このドラマはあんまり視聴率にこだわらない方が良いのではないだろか。
原作者と制作サイドが作りたいものを作るというテイストで、
どんどん進んだ方がいいタイプの作品だ。
好き嫌いがはっきりしてしまうのもしょうがない。



そもそも、
『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグ文学賞をとった万城目学さんですからねぇ。
この『鴨川ホルモー』だって、実にナゾの多い物語。

■あらすじ------------------------------------------------------------

京都大1年の「俺」は、
葵祭の牛車を引くアルバイトの帰り、怪しげな先輩からサークルへの勧誘を受けてしまう。
美人の京子についつられ、京都大青竜会という奇妙なサークルに入会してしまう。
このサークルは、なんと学生同士の陰陽道対決、
“ホルモー”なる儀式を行う組織だった。(この段階で、すでにナゾめいているのだが)

京都市内の4大学が2年ごとに各10人の選手を出し、式神・鬼を操って敵を倒す
“ホルモー”なる儀式とも競技ともつかないものを展開する
もちろん、恋もコメディーもありの物語に仕上がっている。

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デビュー作から、
「陰陽道対決」、「式神」、「鬼」、「安倍晴明」などなどの
古風でエキゾチックなワードが繰り出されている中に小説世界が展開されていた。

万城目学さんの言葉によると、
「この作品を書くまで応募した文学新人賞はことごとく玉砕で、
これが最後と開き直って、とにかく誇大妄想以上の大ぼらを吹いてやろうと
書き出したんです。
僕自身が大学時代を過ごした京都の街を舞台に、
あの歴史の都の背後に隠れた陰陽道の要素を取り入れて。
ですから登場人物は全員、陰陽道にちなんだ名前だし、
神社仏閣など歴史上の建造物や四神配置の方位など、すべて盛り込んであります」



したがって、第2作目にあたる『鹿男あをによし』などは、
受賞後で落ち着いたのか、
その設定は、前作よりマイルドになっているのではないかと思う。
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■とりあえずのあらすじ

人間関係のもつれから神経衰弱扱いされ、
奈良にある女子校に常勤講師として期間限定で赴任することになった“おれ”。

古の都・奈良で英気を養い、研究室に戻る予定だった“おれ”を待っていたのは、
生意気な女子高生と癖のある同僚教師たちと鹿。
その鹿が「先生、出番だよ」と語りかけてきたことから
“おれ”の奈良ライフは波乱に充ち満ちたモノになっていく…。


■それなりのキャスト

小川孝信 - 玉木宏 藤原道子 - 綾瀬はるか 堀田イト - 多部未華子
長岡美栄 - 柴本幸 溝口昭夫 - 篠井英介 前村さおり - キムラ緑子
名取良一 - 酒井敏也 福原房江 - 鷲尾真知子 大津守 - 田山涼成
佐倉雅代 - 藤井美菜 原和歌子 - 川辺菜月 吉野綾 - 東亜優
西尾京子 - 江頭由衣 南場勇三 - 宅間孝行 鹿(声) - 山寺宏一
福原重久 - 佐々木蔵之介 小治田史明 - 児玉清 オープニングナレーション - 中井貴一
内閣総理大臣 - 夏八木勲 巫女 - 大塚寧々 子(小川孝信の元彼女) - 山口紗弥加
教授(小川孝信の元研究室) - 白井晃

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ドラマ化にあたって、それなりに力は抜かれていない布陣となっている。

脚本には、
相沢友子(『恋ノチカラ』『私を旅館に連れてって』)というエースを投入し

演出は、
安定感のある 鈴木雅之(『HERO』『スタアの恋』)、

そして、バックにはプロデューサーとして、
土屋 健(共同テレビ)(『Dr.コトー診療所』)が構えている。

この土屋健プロデューサーによると、
日常から万城目さんが作り出した世界へと自然に引き込まれ、
全く想像もつかない展開にぐいぐい引っ張られる圧倒的に面白い作品。
いつしか主人公を一生懸命に応援するようになり最後にはホロリとさせられる。
なおかつ作品の根底には今伝えなくてはならないメッセージが織り込まれていると思い、
他の誰かに映像化されるのは悔しいと思ったので連続ドラマ化へ踏み出しました。

クリアすべき難題が多々ありますが、
大まじめに、不可思議でいまだかつてない壮大な物語に挑戦したいと思います

ということだそうだ。

第1話、第2話を観る限り、
奈良の平城京跡の風景が美しく撮影されている。
下宿にしても、京都や奈良にある建物の風情を残している映像となっている。
(このタイプの下宿部屋の風景が映像になったのも珍しいのではないかと思う。)



また、原作では、妻子もちの藤原君だったがの綾瀬はるかの藤原さんになった。
当初、心配していたけれども、こういう役柄の綾瀬はるかというのは意外といい。
インタビューなどで、
受け答えしている綾瀬はるかは、織田裕二と同じように、
見ているだけで、なぜかイライラさせられる要素を持った女の子ではあるが、
やっぱり役者としての資質があるのでしょう。
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それに、ドラマ全体については、
夏目漱石の「坊っちゃん」が、設定のベースになっていることだし、
視聴者にしても、なんとなく懐かしいものを感じながら観るのではないかと思う。
鹿の使いとして、「サンカク」を右往左往しながら求める主人公の荒唐無稽さも、
いいんじゃないかと思う。

できるならば、このドラマ作りは意外と原作に沿いすぎているので、
ちょっと原作から離れて止揚してほしい。
昨年の『ガリレオ』などは、見事な原作からの離陸ぐあいだった。
そこまでいかないまでも、
もう少しお遊びの要素を入れた方がテレビドラマとしては必要だとは思う。

それでも、
堀田イト 役の多部未華子のぶっきらぼうさも、
それなりにはまっていると思うし、
やがて行われる「大和杯」での剣道の試合ぶりを楽しみにしたいものだ。
原作を読んだ方は、お分かりだと思うが、
ラストシーンで、主人公である玉木君と堀田イトは、別れ際にキスをする予定だ。
いろんな意味あいがあり、すべてが解き明かされる「キス」。

原作でも、この瞬間にいたるまでの描き方が非常に上手なのだ。
それなりの青春のほろ苦さがある。



万城目学さんは、1976年生まれで、現在32才。
作家としては、まだまだこれから伸びる人ではある。

ただ美しい、快いものだけで埋められる人生なんてありえない。
失敗し続け、さえない毎日が続くのが人生じゃないですか。
そして無駄なことに真面目に頑張り続けるのはやっぱり美しい。


あるインタビューでの彼の言葉だが、実に彼の作品の本質を表している。

万城目さんの描いているものは、陰陽道や神話をベースにしつつも、
大事にしているのは、「健気な人の営み」であったり、
忘れかけていた懐かしい「青春」なのではないかと思う。

ちなみに、
このドラマについて、知り合いの中国系でかつおたくなカナダ人と会話をしたら、
「カナダやアメリカには、本当の歴史がない。日本に神話があるのは、
それだけさまざまな人間の感情が積み重なった物語がたくさんあるということ。
深い文化を感じるし、うらやましいです。」と、
普段とはうって変わって、
やたらと真面目な答えを返してきたのでちょっと驚いてしまった。

国文学の研究ではヒット作の『鬼の研究』(馬場あき子 著)などというのも有名だが、
柳田国男の『遠野物語』であれ何であれ、
日本人のDNAというか心の底に潜む物語は確実に存在している。
万城目さんは、そこを上手くリンクさせつつ、自分の物語をかぶせているようだ。

ともあれ、
荒唐無稽の『鹿男あをによし』が、
日本人の心の底にある何かの琴線に触れる作品になればいいなぁと思う。

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コメント
はじめまして
足@ありがとうございました~♪
2008/01/26(土) 22:33:49 | URL | ELIZABETH #-[ 編集]

ひさびさの更新ですね。
いつも力の入った記事をかかれてますね。
ここに記事が載るとついそのドラマを見たくなります。
ただ我が家のチャンネル権は妻にあり、中々見れないのも現状です><
また覗きますね^^
2008/01/26(土) 22:54:08 | URL | 虎龍 #-[ 編集]
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