舞台の効果音

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映画「椿三十郎」(森田芳光監督、12月1日公開)の興行収入が、
20億にも達しないという話らしい。
そもそも2ヶ月前の作品なのに、
もうほとんど世間の話題にもなっていないというのも、
その惨敗ぶりをあらわしているようで哀しい。
いやはや。
1962年に公開されたご存じ「黒澤明監督、主演三船敏郎」のリメイク版なわけで、
よくまぁ森田監督はこの仕事を引き受けたもんだと思う。かわいそうに。

この仕事の仕掛け人は、もちろん言わずとしれた制作総指揮の角川春樹氏。
このお方のなんとも理解に苦しむような企画に巻き込まれたわけだが、
興業結果はかなり悲惨ではある。東宝もさぞかしがっくりしていることだろう。
クランクアップの会見の席で、製作総指揮の角川春樹氏は、
目標興行収入について
「40億円は最低ラインとして考え、60億円を狙いたい」
なんて、木村拓哉の「武士の一分」(興業収入40億を突破)を
ライバル視した景気のいい発言もされていた。 
それが、この結果である。
しかも、まずいことには、
角川春樹氏は、個人的に大好きな黒澤監督作品のいくつかのリメイク権を
無理矢理取得してしまっているということで、
「椿三十郎」だけでなく、他の作品もリメイクしたくてしょうがないらしい。
きっとこの「椿三十郎」のリメイクについての監督依頼だって、
いろんな人間にもちかけたのだろうし、
当然ながらクロサワ物なので、ほとんどの監督たちは
怖じ気ついて断ってきたにちがいない。



その貧乏くじを人の良い森田監督が引き受けてしまった。
伊東美咲主演の「海猫」の時も、悲惨だったが、
今回だってほぼ失敗することは目に見えているにもかかわらず、
諸般の事情でメガホンをとって、世の中に出してしまった。


また、森田監督にとって、かわいそうなことに、
現在の日本の監督で、彼のかわりに時代劇をきちんと撮れる能力の持ち主もそうはいない。
森田監督だって初めてだし、
デビュー20周年を迎える織田裕二にとっても初の時代劇主演作だった。
とりあえずシナリオもほとんど変更しないで、リメイクしたわけだが…、
これも実は危険な賭けなわけで…、
実際、あまりにもシナリオ通りにやったために、
本家の黒澤作品よりも20分ほど長い作品になってしまっている。
要するに、黒澤監督が映画の切れ味を良くするために
カットした冗長な部分も再現されているので、なおさらゆるい仕上がりになってしまった。
ただ、織田君自体は、
「台本を読んだら45年前の作品と思えなかった。
(劇中で)イジメとか汚職とか、今を描いてるような作品」と
相変わらずのお気楽ぶりで、インタビューで答えていた。
シナリオがほとんど変わらないということは、
自然に役者の質が良くないと困るわけなのだが、
ここに新旧のキャストを比較して載せてみた。
一目瞭然で、
森田版「椿三十郎」のキャストの面々がいかにも幼く見えてしまう。

■新旧のキャストの対比
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椿三十郎:三船敏郎 ←→ 椿三十郎:織田裕二
室戸半兵衛:仲代達矢 ←→ 室戸半兵衛:豊川悦司
井坂伊織:加山雄三 ←→ 井坂伊織:松山ケンイチ
守島隼人:久保明 ←→ 守島隼人:富川一人
守島広之進:波里達彦 ←→ 守島広之進:戸谷公人
河原晋:太刀川寛 ←→ 河原晋:粕谷吉洋
関口信伍:江原達怡 ←→ 関口信吾:鈴木亮平
広瀬俊平:土屋嘉男 ←→ 広瀬俊平:中山卓也
保川邦衛:田中邦衛 ←→ 保川邦衛:一太郎
八田覚蔵:松井鍵三 ←→ 八田覚蔵:小林裕吉
寺田文治:平田昭彦 ←→ 寺田文治:林剛史
見張りの侍木村:小林桂樹 ←→ 見張りの侍木村:佐々木蔵之介
腰元こいそ:樋口年子 ←→ 腰元こいそ:村川絵梨
睦田夫人:入江たか子 ←→ 睦田夫人:中村玉緒
千鳥:団令子 ←→ 千鳥:鈴木杏
次席家老黒藤:志村喬 ←→ 次席家老黒藤:小林稔侍
竹林:藤原釜足 ←→ 竹林:風間杜夫
大目付菊井:清水将夫 ←→ 大目付菊井:西岡徳馬
城代家老睦田:伊藤雄之助 ←→ 城代家老睦田:藤田まこと

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■みなさん、きっとご存じだとは思うのですが、とりあえず「あらすじ」
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真夜中の森の中。
若侍たちが社殿に人目を避けるように集まり、ひそひそと相談している。
一人の若者が仲間に語りかける。
「次席家老の汚職を城代家老の睦田に告げたが意見書を破られ相手にされなかった」。
失望の色を浮かべる青年たち。
だが「大目付の菊井さんに話してみると『共に立とう』と答えてくれた」と続けると、
一転して場は喜びに沸く。

この脳天気に気勢を上げる若者たちの前に、
奥の部屋からアクビをしながら流れ者の浪人が現れる。
謀議を聞かれたと緊張する一同に、どこ吹く風のこの男はニヤニヤしながら
「岡目八目、菊井のほうこそ危ない」と語る。
その予想通り、実は悪家老の仲間であった菊井の手勢に社殿が取り囲まれるも、
この浪人の機転により若者たちは虎口を脱する。
自分たちの甘さを後悔する一同だが、
あくまで信念を曲げず命がけで巨悪にたち向かおうとする。
頭の固い若侍たちに一旦はさじを投げた浪人だが
「死ぬも生きるも九人一緒だ」の悲壮な声を聞くと、
思わず「十人だっ。お前たちのやることは危なくて見ちゃいられねえ」と怒鳴り、
城下へ一緒に乗り込む。

しかし、一枚上手の悪党たちはすでに藩政を掌握し、
世論を味方につけてしまっていた。
悪党一派との戦いの末に救出した城代家老の奥方と娘によると、
ご本尊の城代は敵の人質になっているという。
浪人と若者たちに助けてもらった睦田夫人はお礼を述べた上で、
容赦なく人を斬るこの風来坊の心に人間同士が作る社会への希望が無いことをたしなめ、
希望を持てば必ずよい結果になると優しく語りかける。
眩しそうに目を逸らしていた男だが、
改めて夫人から名前を聞かれると困った様子になり
「私の名前ですか。…つばき、椿三十郎。いや、もうそろそろ四十郎ですが」と
冗談とも本気ともつかない返事で空を見上げた。

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思うに、純粋な若侍集団の正義感と上司である悪党一派という
単純な構図をベースにしても、
何か工夫が入る余地はいっぱいあるはずなのに、
しなかったというか、できなかったんだよなぁ。
黒澤監督の時代より、
日本人が素直ではなく、
かなりめんどくさい生き物に変質してしまっているのが困る。
ホントに、残念。



ただ、角川春樹さんの性格上この程度のことではめげない…。
それどころか、
もっと悪化してしまうことをやらかすというのが典型的な行動パターンだったりする。
その証拠に、
黒澤監督の「隠し砦の三悪人」が50年ぶりに再映画化され、
嵐の松本潤が主演することが発表されている。
オリジナルは「スター・ウォーズ」に大きな影響を与えたというのも有名。
(C-3POとR2-D2のモデルになった役柄が存在している)
ヒロインを長澤まさみ、
阿部寛、宮川大輔らも共演。
今度のメガホンは、「日本沈没」(これもリメイクか)の樋口真嗣監督がとるのだそうだ。
第2の被害者というわけだ。

男勝りの姫の救出劇と敵中突破という物語。
樋口監督は、
「現代の観客に向けて作る上で、
フリーターやニートに代表されるような
自分のよりどころを探す若者の姿を反映する設定にしたかった」と語っている。

なんだかとても心配だ。

ちなみに、「椿三十郎」が失敗したおかけで、
東宝とフジのトップあたりから
「踊る大捜査線」の次回作を現実的に検討する指示が下るのではないかと思う。
「織田裕二で損した分を、織田裕二で取り返す」のでは。
きっと和久さんの葬儀から事件は始まる…。
まっ、これはかってな憶測です。
可能性は高いと思いますが。
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コメント
こんばんわ☆
なるほど~!
役者の幼さというのは面白いですね!
そう見ると、隠し砦の三悪人もコケそうです。(笑えない?)
勉強になります。
2008/02/08(金) 01:11:34 | URL | みち #-[ 編集]
同感です。
やはり、あの役は三船敏郎さんだけのものでしたねえ。
織田裕二さんは何だかモノマネしているように見えてしまいました。
隠し砦の三悪人、これもあまり期待出来ないでしょうね。(でも、黒澤ファンの筆者は、旧作と比べるために見に行くと思いますが)
踊る大捜査線、有り得るかも。和久さんの葬儀も。
2008/04/05(土) 23:01:36 | URL | 桃源児 #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2017/03/10(金) 03:55:59 | | #[ 編集]
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